元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
虐待と微笑(ほほえみ) 裏切られた兵士たちの戦争

 かなり衝撃的な扉で、全裸で積み重ねられた人間の山と、満面の笑みで記念撮影をする兵士―しかも女性までというもの。
これで『どういうコト?!』と読まざる得なくなりました。
 …イラク戦争で、アメリカ兵が捕虜の人権を踏みにじりまくったと言う事実があったようです。…うわぁ…。
 皮肉なもんで、こういう構図だとどうしても『白人至上主義』『正義は我にあり相手は悪魔』『だから何をしても自分は許される』と言った慢心の狂気を感じてしまいます。
もしこれが逆の人種だったら、あるいは同種だったら等、都度違うものを感じ取るでしょう。それが自分の根底にある各人種のステレオタイプなので、それを感じただけでもこの写真も、戦争も、人間も、自分も、まとめて愚かで恐ろしいわ。

 さて、肝心の本の中身です。
 やった当の本人たちは、ちょっとふざけただけ。彼氏に言われたから。だの、なんでこれが問題になるの?と言った態。(判決出た後でさえもこの言葉が出るのがすごいわ。)もう、脱力。
 果ては周囲も戦争に行ったからあそこではおかしくなって当然だの、あそこで公然と行われていた事を下級兵士にだけ罪を擦り付けた、彼らは被害者だの…。
 いや、事実軍の上層部はそういう逃げ方したんでしょうけど、だから自分は悪くないんだって事になるわけないでしょうが。
問題のすり替えも甚だしい。
 実際この告発をしたのは同じ兵士の一人です。彼が見ておかしい、これは虐待だ、あるまじき事だと感じ行動した事実はどうなのよ、と。
 可哀想に彼は、むしろ仲間を裏切った扱いなんだそうです。どうなってるの?同族意識が正義に勝るの?
 何と言うか、ごちゃごちゃ言い訳してる連中には、人の事をあげつらう前に自分の禊をしろよと思う。
「あいつもやってるじゃん!」とかいう見苦しいガキの言い訳か、感情吐き出してるだけ。

 まぁ本の中にはもう少し本人たちの葛藤が詳しく書いてありますが、端々のふてぶてしさにどうも共感出来ないわ。
「新聞に顔写真が載ったから、今でも20代の頃にした悪ふざけの事で頭のおかしいやつに襲われかねないのよ」なんて本音だとしてもよく言える。
 やった方の地獄も見える事が良いとも悪いとも言える内容。
もしこれで虐待されていた側のインタビューとか話が聞けていれば完璧なドキュメンタリー本だと思いました。
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