元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
貯金兄弟

 お話仕立てで経済を学べるシリーズ。
今回も面白そうだな。
 兄と弟は両親、及び養父を早く亡くしてしまったため、とってもお金に執着してます。
しかしその執着の仕方は両者真逆で、金を使う事で当時の恨みを晴らすの如くかの兄と、金を溜める事で安心感を得る弟と―成程、どちらもコンプレックスだよなぁ。
 生き方一つとっても、大卒派の兄、高卒派の弟、大企業派の兄、公務員派の弟と常に衝突しがちです。
なかなか初手からワクワクする構図だ。
 見出しには『大卒が高卒よりも稼げるなんて過去の事』みたいに書いてあって、私的には弟の言う事の方が私にはしっくりきたなぁ。
よほどのエリート校、エリート企業に就職出来るならまだしも、そこらの大学なんぞ皆行ってるからそれでいい企業に入れる確率なんてないも同然、だったら生涯賃金を増やすため、その4年を使い、リストラに怯えない公平な採用の公務員になる―と言う感じ。このご時世だし…。
 おまけに学歴が出世に影響すると兄さんは言うけど、エリートが集まる所では出世競争も厳しい、じゃあ小さい企業で…とさらに兄さんは言うけど、不況で潰れるのは体力のない会社から、そもそも大学にかかるお金自体マイナス―と弟はしっかりし過ぎのネガティブさです。(ちなみに高校生。)
 まぁ兄弟は両極端なんで、金を今使わないと意味がない兄と老後に取っとく弟、本来はバランスなんだろうけども。
 この家はエンゲル係数70%くらいと言う家計なので、節約自炊を担ってる弟の気持ちの方がまぁ解ると言えば解るかな。
実際兄は頭が良くて大学行く価値があるけど、弟は自分の出来をよく理解して大学を死に金だと判断してるだけだし。世間一般でいう『大学出なきゃ』神話を押し付けて来る兄はその意味じゃ理論負けしてる。(なお新卒内定が決まったばかりの兄。)
 さて、これがどう転がるのか?

 目次も世間のいろんな両極端論の戦いの様です。
生命保険や、賃貸か持家か、とかも入ってます。
 しかしまぁ二人ともどこまで両極端かって、兄はクレジットカードとか消費者金融とか使いまくるし、弟は飲み会全断りから始まり、人の食い刺しを食べたり、自販機のお釣り回収巡り(これまずかったはずだが)を始め、同僚相手に金でやり取りするようなドケチぶりでドン引きなくらい。…も、もう少しほら…。
 ストーリー上も途中から、兄の恋人を弟が取ってしまった様になってしまい、妙な亀裂が兄弟の間に入ります。
(浮気でなく、断ってからの付き合いだけどどう考えても禍根が残るよ。)

 最終的にはお互い結婚するんですが、そこからも人生設計はことごとく違う。
似たもの同士の夫婦とも言える感じでくっついたんですが、ここら辺までくると、兄が可哀そうになる書かれ方が多いかな、と感じたり。
 弟夫婦は子供におもちゃは与えず何回も(折ったものを広げて!)使えるからと折り紙を与える。それに不満もなく喜んで遊ぶ娘。
対して兄妻はダイヤの指輪を見せびらかす様な性格…と、なんかお金の話だから賢く貯めようと言う方を良く書くのは解るんだけど、やり過ぎ感もなぁ。
 現実だと娘が不満を感じたりする可能性の方が高いだろうし、兄妻のは単なる性格設定ひとつのエピソードだよなぁ…。
 極めつけは両者の同じ年の娘が、弟の方は金をかけなくても何でも出来て、兄の方は金をかけても出来ない子と言う都合の良さっぷりが。
まぁ、貯まるか貯まらないかで言うとそりゃ弟の人生なんだけど、兄の扱いが酷過ぎない?
 とりあえず二人とも、何でもお金に考えて人生を決めていきます。

 ストーリー的にはしかし、最後になるにつれ、兄の邪魔もあるが弟の人生に陰りが見え始め、最後の最後で身も蓋もないどちらの金に対する考え方が良いとも言えない所に終わるんだけど、まぁ、運と言う要素は誰にも測れないからね。
ハウトゥ本かつ小説と言う変わった本の落としどころを十二分に活用しているオチかと。
 だけど、途中途中のお金の話は改めて知らない人が多そうな話なので、是非読んでみるといいと感じます。セリフで説明されているので図や文章よりも分かり易いのがまた納得でした。
 弟の人生は極端だけど、自分の感性に合う方法をひとつでも拾えれば吉。
(兄の人生も無駄だとは思わないんだけど、人との付き合いだとか、そう言うのは真似出来る術とかではないので、参考にしようがない。)
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