元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
錆と人間 ビール缶から戦艦まで

 錆の歴史ですよ、錆と戦う人間の技術の歴史。えー、面白そう。変わった本もあるものだ。またサブタイトルがグッとくるよね。
 確かに金属加工を始めてからこの方、人類は錆と戦ってきた。小さいも大きいも身近なものから見えない所、どこにでも金属は存在します。
 最初は船の話から。
とある巨大船が腐食して、湾から動かすのも一苦労。解体するなら一切湾を汚染するなとか言われる話とか、はたまた申し送り無しに管理されてきた自由の女神がいつの間にかじわじわと浸食されていた話とか―。ワクワクするねぇ。
 他にも缶詰、車、パイプラインと。

 しかし基本、対処する人間の話を期待するんだけど、まぁ錆に負ける負ける。
さすが金属の癌。どんな障害もものともせず突き進む恐るべき存在です。
 また腐食にも条件があり、二種類以上の金属を触れ合わせないとか、水分大敵とか、電気の流れとか…科学的に八方塞りで、人類は未だリアルタイムで錆とは戦っているんだから、なかなか勝利の話は聞けません。
 だって例えば自由の女神なんて、内部に入る観光客の呼気の水分量だけで膨大なんだそうですよ。
それらが骨組みからじわじわと…恐ろしい。
 そして意外な事に水がダメなくせに、実際はそれ以上に酸素の方がダメと言う所。
酸素って、緩慢に物を燃やすと言うイメージだそうです。ははぁ成程なぁ。

 何かを作り出した後、『維持』する事にこんなにも問題があるだなんて、普通の消費者は思いも寄らない。
それこそ缶詰なんか、破裂、穴開き、腐食があればクレーム言いたい放題、でもあれの開発にどれだけの問題や知恵や技術が詰まっているかと知れば…―思わず『でも缶詰と言う技術が無かったらこんな便利な生活してないんだよな、有難う』と言いたくなります。
 パイプラインなんかも、トラブルなくて当然、所がそれを維持するのにどれだけの資金がかかるのか。
人間、作る事には金がかかっても当たり前と思うが、一度作ったもののメンテナンスに金がかかるのはなかなか理解が出来ないものです。そして予算をケチっておいて、トラブると『何作ってんだ!』とね。老朽しないものは無いという事です。

 この本を読めば、私たちの生活が如何な技術によって成り立っているのかと、その歴史や戦いっぷりに圧倒される事請け合いです。
塗装ひとつも、防食技術と聞くと感慨深かった。
 全ページ興味深く読めた一冊。
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