元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
給料戦争

 この人の他の作品タイトルを並びで見て、これはもしや…と一冊読んでみた。
ちなみに他の作品、『会計天国』『戦略課長』『貯金兄弟』…え、これって、もしかして経済を教えながらの…大人の学習漫画(小説)的な?!
食いつきました。学習漫画の流れ、好きです。

 その中でも最もあらすじのぶっ飛んでいたこれを。
お人好し主人公の前に、日本兵がタイムスリップ。
えぇー…すごい話にするなぁ。
 ああでも、日本兵が現在社会の色々にカルチャーショックを受けたり、彼に教えるために主人公が経済や社会を勉強しつつも考えていく様が目に浮かぶ…。

 ―とまぁ、大体この流れで予想通りだったのですが、この本、大変分かり易く面白かった。
やはり日本兵の考える所の理想の社会と、今の社会は違っていて、それが故におかしな社会の歪をズバズバと指摘されて、そこで初めて主人公も現在の社会がなぜこんな形になったのか、社会の枠組みの意味や狙い、弱点なども勉強するのね。
 一応先生役は主人公の恋人なんだけど、単純に現在社会がおかしい、悪いって話ではなくて、成り立ちや理念を知り、上手く行かない部分はどこで、逆に知らずに恩恵を受けている部分など、新社会人あたりに是非読ませてあげたい(そして読んでいればよかった)一冊だと思いました。
 …まぁ最初の章なんか、明細の見方や控除の内容、税金の話なんだけど、さすがに主人公が34歳にしてそこら辺を全く知らないとかはおかしかったけど…。
 良かったのが、先生役の恋人が、困った事があってもルールが悪いなどと愚痴を言っても始まらないような事は言わず、現状の法律や社会の仕組みを把握した上で、実に現実的な対処法を指示する所。
社会に文句言うだけとか、大言壮語なんて現実には何の解決にもならないもんね。地に足付けた解決が気持ちいいわ。
 勿論日本兵が出てくるくらいですからお話としてはご都合主義で当たり前。一通り困った事と解決をこなしていかないと学習材料にはならないからね。

 それでもきちんとお話になっていましたし、何よりラストが気持ち良いくらいのハッピーエンドで素敵。清々しい。
小難しい本で勉強する前に、まずはとっかかりでざっくり社会人を取り巻く諸所を知りたい、そんな時に良さげな一冊です。
 面白かった。
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