元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
ハッピーノート

 中学受験を控えて塾通いに精を出す小学生女子。そんな子が主人公なのですが、うん、なかなか…嫌な部分も全開の一人称物で生々しいな。
 なんせ学校でつるむのが苦手。かと言ってグループから逃げると孤立するし、いつも調子良く(内心相手を怖がったり、馬鹿にしながらも)振る舞っていた。
 で、彼女はさっさと学校側の上辺の友人付き合いに見切りをつけて、塾なら新しい素敵な環境が待ってるんじゃない?とTVドラマなどの影響を受けて、勉強目的でなく塾へ行く事に。
 ところがそこでも結局一人。しかしここでは下らない人間とはつるまないつもりなので、日々自分では動かず、良い事ないかな…と毎日不満を抱えながら過ごしている。
 そんな中でも、一人の男子とは仲が良くて、主人公は彼が好きなんだけど、その子は塾では決して主人公と話したりしない。
塾帰りのドーナツ店で一緒に勉強をするだけの仲。いつか彼が自分のグループに主人公を紹介して仲間に入れてくれ、リア充になるんだ…なんて思っているけど、やっぱりこれも受け身なのね。

 そんな不満と受け身の生活の中、主人公は新しく塾に入ってきた女の子から、サバサバかつ、どこか馴れ馴れしい近寄られ方をする。
 その子は妙な服装や言動なのだけど、物おじせず何でも出来、そもそも頭が良い。
でも人との距離感が測りにくい子であり、主人公は嫌悪困惑しながらも、自分がいいグループに入るため、打算的にその子とつるむ事になる。
 しかし目論見は見当違いだったわ、成績は落ちるわ、例の彼は最後まで主人公を公に友人扱いすらしないわ、展望なんて望めない状況に。
(ちなみに学校の友人とは相変わらず嫌々付き合ってるし、家庭でも親に反発バリバリ。)
 もう八方塞がりどころか、よく一つの良い事もなく進むなぁ…なんて。
 特に友達付き合いは、学校でのグループは足引っ張る子にいらいらし、リーダーの機嫌を測り、どちらでもない子はさらっと裏切って転校して逃げちゃう(積極的だな)し、塾の子らはそもそも向うからして主人公を相手にしてなくて、男の子もよそよそしいし、入ってきた女の子は癇癪が酷い。かと言って憧れていたグループにちょっとだけ入れてもらってもルールがいっぱいで嫌だとか思うし―。
あー、気の合う子がいないとこういうもんなのかしら。

 まぁこの子のネガティブさもあると思うんだけど、途中で『結局どこへ逃げてもその先で嫌な事がないとは限らない。じゃあここで嫌な事を止めよう』と開き直った様に自分の意見を通す子に変身。
 普通はそこで見直されたり、裸の心でぶつかって友情が出来たり、道が開いたりする展開と思うんだけど、これがなんとも酸っぱい話。
全く相手を思いやる行動がないくらい、「私はこれがしたい、それは嫌だ」と主張する子になってしまった。(そして複数の子と衝突する。)
 いや、自分の意見が言える事は良い事なんだけど…取りつく島もない感じに思える。そしてそんな急に変われるのも不思議。
まぁそれで、向うも今まで押しまくってきた分反省―と言うより考慮するようになったのか、険悪なムードながらも前みたいに主人公が振り回される事はなくなりました。
 ただ、主人公もしれっと、『別にあんたと無理に付き合いたいわけじゃないけど、あんたがいないと一人になるんで』的な言い草なもんで、読んでいてとげとげするわ…。このまま本音を言い合う親友になるんだろうか。いや、運命の友人に出遭うまでの保険にしか思えない…。
 この子最初は消極的ネガティブ、ラストは積極的ネガティブだよ。

 ただ、女の子友達らとは結局こんな調子だけど、塾の男の子とだけは誤解も解け、仲良くなったラストでした。うん、どこを見ればいいかわからない。BF的な話がメインか?これ。それとも単に友人がたまたま男の子だっただけの友情テーマ??
(あ、あと家族とはお互いカッコ悪い所を知られ合って、結局仲良くなったようです。そこはまとまっていた。)
 全方向に釈然とするハッピーエンドじゃないのが、微妙な気にさせてくれた本です。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック