元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
不思議を売る男

 ははぁ、骨董品を売るのに、その商品にちなんだお話をして買わせると言うやつか。
これが、男が『嘘つき』と呼ばれる所以なのね。(原題が『A PACK OF LIES』。)
 セールストークとも思えますが、得体の知れない嘘をつく男を雇い入れた主人公母子。
警戒はするが、ようやく商品が売れ出したのだから文句も言えず、傍で黙ってその話を、売りつけられる客と一緒に聞くしかないのです。
 上手いね。これでひとつひとつ全く違う話を短編で繋いでいくと言う流れが出来る。
(しかしこの嘘と言う解釈、主人公母子は「でもあの人はこの商品がお話に出て来るものと同じだとは言ってないから嘘とまでは言えない」とか言って自分を誤魔化してますが、いや、この商品の話をしましょうって言ってる時点で完全にアウトですよね。まぁこの正体不明の男が本当の来歴を語っているかもしれませんので…?)

 さて、その来歴。
アンティークショップで商品の来歴が解る話は割とあると思いますが、そう言う場合の綺麗だったり、ジンとしたりといった良い話は欠片もなく、『大時計の下敷きになって死んだ』とか『意地悪な手紙ばかり書いていたら文箱から髪の毛が襲ってきた』とか不吉でホラーな話ばかり。
 …これで何で買っちゃうのか?皆。
 まぁ同じ様な店に買いに来たパターンの中でも、毎回客あしらいやトラブルの解決の仕方が違ってて、たまにオークションへ買い出しに行ったり、はたまた警察の捜査が入ったりと、男の飄々とした活躍が鮮やかで活かされます。

 所でこの男、本にしか興味が無く、他の事はまるで頓珍漢なんですが、途中で恋愛要素が入り込んでくるのがえらく面喰らいました。
 だって母親(未亡人)とかと思ったら、娘の方とだったんだもん。…ぇ、この娘、幾つ??てっきり小学生、せいぜいローティーンくらいかと思っていたんだけど。(ああ、五年生と言うからそう思えたけど、実は高2くらいの数え方か?国によって数え方違うから、ここは翻訳でさくっと日本式に換算していてほしかった。)
 しかしそれも全くフラグのないとしか思えない状況で、母親の方が『娘がだんだんあなたに惹かれてきていて問題だわ』的に釘を刺すのですが、男のはぐらかしの話は意味深に恋愛話だったしなぁ…。娘もそんなそぶりを見せていなかったのに急に応える感じだし―どうなの、これ??(男は年齢不詳とは言え、結構すぎるくらい大人に思える。)

 で、最後どうなるのかな、駆け落ちでもするんか??と頁を手繰っていくと―ラスト、えええええ??????
ちょっといきなり不明な展開に。
は?これ、どういう事?結局作中作なの?現実なの?どうなったのかも予測しづらい終わり方なんですが。(ハッピーエンドを予想するとは限らない。)唐突すぎんよ。伏線とかどうした。
 うっわ、もやもやするわぁ…。大体男が同一人物として、外見とか性格とか随分違うように思えるのだけど…。
と混乱ひとしきり、説明しにくいラストでした。
 考察が上手い人は幾通りにも解釈出来るような感じ。だが私は作者が指し示すたったひとつの本意を知りたいと言うのに。(ってあまりにも釈然としないので検索かけたら皆ラストが解らんとかで吹いた。)
 まぁラスト以外、短編の方を楽しめればそれでいいかと言う感じです。あんまり恋愛してないから、そっちじゃ期待や応援気分はないもんねぇ…。好みの上だとこの手の話は不思議なおじさんと少女系ですわ。
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