元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
あらすじで読む日本の名著 No.1

 文学をとんと読まないわけですが。
あらすじだけでも知っておくか、と面白そうな本を発見。
 まぁ…前書きで漫画を貶しまくってて、『文学を読まないから若者の質が云々…』と熱弁をふるっておられる所は頂けませんでした。
表現された作品からどんな感銘を受けるかなんて受け取り手の心次第でしょーに、漫画を笑うものは現実社会で深い経験を積んでいる人に『文学?本?文字?これだから現を抜かしているものは―』とか言われても受け入れるんでしょうかね。
映像でも芸術作品でも、表現の形で価値を決めつけるのは可能性の損失だと思います。
 これは人に寄りますが、いざ文学その物って、読みづらいんだよねぇ。せめて現在口語訳でお願いしたい。そして内容もしんどい。
実際に鬱になるくらい変質的なまでの俗世界を描いた上でその中に高潔だの理想だのをぶっ込んでくるので、それを例えばしょせん『痴話喧嘩』だの『嫉妬』だの『自分が正義』と一言で斬る人間なら、これこそ下らねぇ、で感想終わりなんですよ。
 腐せと言うなら文学の設定は芸能雑誌の他人の人生覗き見根性と変わりません。
(いや、だからそこから感じるのは受け取り手だから文学も否定しませんよ?)
 文学、文学と文学だけが高尚扱いされていると反発も抱くわけで、そのせいで文学から離れる人間も一定数居ると思うんだな。
文学に非ずば読書に非ずと言う選民思想。
 これはどんなジャンルでも言えるけど、文学に限らず、ライトノベルだけ、ノンフィクションだけ…ととにかくその態度が嫌なのね。
私的には自分の好みの問題で、時代小説やライトノベル過ぎるものはあんまり読みません。エログロも。けどそれが、世界に害悪を及ぼしてるとか思わないもの。(よくあるけどそれを読んでるから犯罪ガー、とか、おかしいだろ。指向性の問題だ。ガス抜きの役割を果たしている所とか功績部分をなかった事にするのもな。)
 文学も苦手。と言うよりフィクションでもノンフィクションでも、基本的にゴシップに興味がない。現実を生きるのに糧になるからと苦しい思いを共体験するのは、必要以上に肉体鍛錬に勤しむジムの様にも映る。
知は奪われない財産ではあるけれど、溜める事が手段から目的と変わるのは本末転倒で、その瞬間から知の存在意義は消え失せるんじゃないだろうか?
 より良い人生のための知を集める行為が、慢心を生み出す毒となる。
それこそが文学になりそうなテーマだよな。
 文学の面白さを人に知らせたいなら、関係ない他ジャンル下げなどせずに、好きなもんを好きという態度だけで表してくれればいいんだよ。
人は誰かが楽しそうにやっているのを見て、あれいいなぁって思うもんじゃなかろうか。
あれダメこれダメ、これだけが正道!なんか宗教みたい。
 もし何かのジャンルに害悪を感じるなら、それはそう言うテーマの一冊で語って欲しいな。100%良いものも存在しないだろうから、意見としてはありだよね。

 さて、しかし内容は大変面白かったですよ。
あの作品、この作品、…ぶっ飛んだ話が多いなぁ…。
いやでも波乱万丈のあらすじは好奇心くすぐるものです。
 中でもお役立ちだったのは『未完』となっているもの。…ぇええええええ?!引っ張っておいて、結論隠し…、いや、存在しないだとぅ?!
これはストレス溜まる。間違って読まないようにしなくちゃ。
 そしてタイトルからは想像もつかない、または想像と違った色んな名作。
読み応えもあり物凄く興味深い一冊でした。
『高瀬舟』とか『蟹工船』はあらすじだけでも面白く読めたよ。
 あと『野菊の墓』とか『雪国』、こんな話だったのか…。
『金色夜叉』にも誤解してた。あらすじなんで実際は間違ってないのかも知れないんだけど、寛一お宮の単語だけが一人歩きしてて、お宮って…もしかしてそう酷い事してないんじゃないの?寛一の暴走的要素はないの??ある意味気になるあらすじの書き方だ―。
 冒頭にそのままの文体が数行載ってるのですが、失礼ながら読みにくい昔文体の作品はこれで避けられるなと思った。便利。
このシリーズは続巻があるので、是非読んでいきたい。
 この中から読んでみたくなる作品があれば世界が広がって嬉しいな。
本当は文学だってボーダレスな作品はたくさんあって、ジャンル分け自体、意味がないのかもしれないんだけどね。
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