元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
お任せ!数学屋さん

 設定借り。数学で地球を救うのですって。
意味が解りません。言い分を聞いても解りません。
ジュニア小説…なのかな?

 主人公は数学大嫌いの女の子。
そんなある日数学で世界を救うのが夢だと言う男の子が転校してきて、自己紹介でこれを炸裂させたもんでクラスから浮きまくり。
本人はいたって淡々と一人でもどこ吹く風で数学を邁進します。
 そして変人の極み、程無く自分の席にのぼりを立てて『数学屋さん』を始めるのです―。
(主人公はこれを見て、『酷い、いじめだ』なんて思ったのが吹いた。成程、そう見えなくもないか。)
 しかしまぁ、変人でもいじめはなく、かと言って誰も近づかず、ひょんな事から主人公が数学少年とお近付きになり、一緒に数学屋さんに巻き込まれて行くのですが―…。

 結局の所数学屋さんと言うのは、お悩みを数学で解決すると言う何でも屋さんなんですが、何と言うか数字にひっかけられる悩みはやはり限られるわけで、どんな関係なさそうな問題を絡ませるのか…とワクワクしていたのですが、やっぱり限定過ぎだな。言葉は悪いがあらすじ上の出来レースっぽい…。
 買いたいものが買えないよ!→小遣い計算、節約して下さい。
グラウンドの取り合い→面積を割り出して公平に分けます。
…とか。
数ありきだよね。
 少しだけ部員のサボりを止めさせたいと言う相談事がきて、囚人のジレンマを利用した解決法を提示したのはなかなかの発想でしたが、これはそう上手い事現実は動かずと言う結末で、寧ろこの話が一番リアリティを感じた。
何にせよ心の問題は数で表せられないよなぁ。
 一休さん的とんち展開を求めていたのだけど、そう言うのよりもっと学園物寄りかなぁ。それも教育TVドラマ的な。

 で、中盤以降。
以上の事を踏まえた上で、とうとう数値化出来ない難問にぶち当たります。
それは『恋愛相談』―。
数学少年も頭を悩ませる問題を、徐々に増えてきた仲間と共になんとか『恋』ってなんだろう、とその気持ちを数式で表すのですが―…。
 この本の見どころはこの件だな。
正直前半と濃密さの訳が違う。
前半が無きゃ前提も解りませんが、読んでいて前半後半でお話としての深みが違うと思う。
 そしてそのお悩み投書の依頼人の正体。
主人公の出す答えとラスト。
ここら辺はシチュエーションと展開に感心した。
ほほぅ…そう来るのか、そう来るのか、と。
 前半はだれだれの読書でしたが、後半は納得の読み物でした。

 プロフィール見ると、まだデビュー作なのかな?数学関係で入賞とかしてる人が小説を書いた模様で、成程、若干のぎこちなさはこれか、と。
 たまに数学テーマの小説ってありますけど、さてこの作者さんは今後どんな作品を書いていくのか?
このジャンルはこれだけなのか、引っ張ってネタを出し続けるのか、或いはたまたま書いたのか、気になる所ですね。(と思ったら作家志望だったらしく、本人の経験したジャンル系を書き連ねている模様。この本、続編あるじゃないか!)
 正直続編があるとこの綺麗な終わり方がちょっと揺らぐなぁ…と言う事で私の中で続きは無くて良し。読了。
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