元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
幽霊人命救助隊

 設定が良いね。
あの世からカルマのために自殺しようとする人間たちを止めようと言う幽霊たちの話。
霊能者の逆バージョンの様でこれは面白い発想。只の守護霊と違って、チームと言うのがまた。
 まぁ思った以上にカルマ面が強く、自発的に人助けと言うよりは罰として強制的にさせられているから、人間側も業深い、幽霊側も業深いと、どちらもせめぎ合いでカタルシス的なものはない始まり方。
 それにしても神様のキャラ設定とか、ちょいとひねくれてる感じで、表紙(私が読んだのはハードカバーの方)の絵の微妙な古さと言い、如何にも時代っぽい。(言っても2004年の作品なんだけど…。)
 まぁおそらく幽霊たちがそこそこ昔に幽霊になっているせいか。流行り言葉とかがジェネレーションギャップなわけです。
それぞれの生きていた時代による『人々の行き詰まり』の理由も色々で、例えば心中が珍しいと言ったり、よくあると言ったり―。

 そう、この色々な理由と言うのがちょっとこの本のメインと言うか…しつこいくらいに100人もの自殺しそうな人間の悲惨な人生を追体験で読まされる。(そりゃはしょるけど。)
これが中々に心中重くなる一方でしんどい読書となったというか…。
 あー…これが物凄く調べ込んだ巻末資料のほとんどの成果だと思うんだけど、共感疲れしちゃうのよ。
 正直、救う方法の過程や方向性に意味のあるストーリーなんだけど、もうほとんどすっ飛ばして主人公たち4人に関わりの深い自殺原因だけを細かくクローズアップしてくれるくらいで良かった。
 あとほとんどなんでも『鬱病』で済ませるのは如何なものかと。
 ラストは神様にわがまま言うのも読めた展開なのですが、正直彼ら、あっさり天国に行けばいいのにとか思っちゃった。
人助けが悪い事なんてないけど、感傷気味にこの先延々と救助隊していられるものだろうか?いっそ『仏』にでもなる??
ラストのラストの終わり方、ちょっといい具合にまとめ過ぎた気もするし。
 本文で散々この世の世知辛さをも説いたのだから、そこそこ乾いた具体のエンディングでもすっきりしたと思うのだけど、個人の好みかな?

 作者目当てで読みましたが、この物語がもう少しコンパクトにまとめられていたら機嫌よく読んでいたと言う感じが少し。
いや、でもまだこの人の作品で気になるものはあるので次、行こ。
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