桃太郎は何故桃からなのか。かぐや姫の竹は何故光っていた?その他諸々、意味がありそうでなさそうなおとぎ話の突拍子もない所を突っ込むお話。
しかし中身の検証はなかなかのもので、例えば浦島太郎では時間の進み方と生物の大きさの話、真剣に論じていて、なんとも言えない面白説を聞けました。脈拍数の話とか、確かにそうだけど着眼点がいい。斬新な切り口。
即ち、浦島太郎が巨大化すれば時間の流れが変わり、実際海の中なら巨大生物が居てもおかしくないよねーとか。…思わず無理のない説にうなずいちゃった…。(そもそもの巨大化ってどうやるんだよとかは知らん。)
寓意に科学のメスをってスタンスですね。
全く明後日の方向を向いている同士の話を、当て嵌めてみればこんなに無理なく嵌るんですと言う、面白く読める考察がたくさん。
中でも白兎の突然変異から渋柿甘柿の話は目から鱗。
甘い柿の方が突然変異体で、甘い柿の種を蒔いても受粉の関係で結局渋柿になるとか、面白いなそれ。
だから柿って刺し木でないとダメなんだ…。
おとぎ話とは言え、ジャンルの広い知識ありきだから、雑学本みたいでタメになりました。
こういう思考で昔話を掘り下げる感覚って、好きだな。
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