元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
百年前の家庭生活

 発作の様に明治大正に想いを馳せてしまう、ルーティン読書。
今回のはいつもぼんやりと『雰囲気』で流しているその時代の真実の生活、そこら辺を読んでみたいと思います。

 この本、とにかくまぁ細かい。
食物(メニューや量やカロリー、栄養素まで網羅できる位)、着物(勿論身分による服だけでなく髪形や理容代や洗髪頻度まで)からお金(職業別、生活費も内訳は帳簿並みに把握)の話、仕事やタイムスケジュール(何時に起きていつ銭湯に行って等)、それも『平均的な』だけに留まらず、貧困、下流、中流…といろんな生活体験者の言葉や日記を掻き集めてきて載せているので、本当にリアルな当時の生活がしのばれる。
 よくぞこんな物が残っているなと言う書付が多く、学者的には宝の山の様な当時の資料でしょう。
どうやって集めて来るのか驚きの濃度です。
 洗髪の辺りの話に至っては、頻度どころか洗髪のやり方まで数種類詳しく(例えばフノリにうどん粉をどれくらい混ぜてこう使う等まで)説明していて、微に入り細に入りすぎます。
 どこどこ村のお風呂の回数とか、都市部ではこの回数とか、どうやって当時の記録が残っていて、また何の意味があって記録していて、それを現在に利用してるとか、もはや脈々と連なる『歴史』をひしひしと感じてしまいました。
記録とか媒体って凄いわ…。
 こういうとっかかりから著者は、風呂を一度湧かすのに薪がどれくらい、つまり費用はこれくらい、光熱費から換算すると月に何回くらい入浴していた―とやっているんようなんだけど、その手の公式のXもYもすべて分からない素人からしてみれば、ひたすら先に計算して途中計算及び結果をただただ書き記していてくれるこの本は、虎の巻みたいなもんだな。
 内容がここまでレベルが高く、研究的なのにも関わらず、文章は分かり易く、不思議と読みやすいです。
やっぱり当時の生活と言うスポットライトが面白いから、興味で楽しく読めちゃうのね。
 唯一惜しかったのは、少しで良かったのでところどころ図解があると嬉しかった。
 物書きさんが、資料に出来るような本です。
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