元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
魔女の血をひく娘

 ノンフィクションかと騙されそうになったわ。
だって最初のページに、古いキルトからみつかった日記を、本にしましたみたいに書いてあるんだもの。
魔女狩りのあった歴史を読めるかと思いきや、くぅ、それも込みでフィクションであった。
 ―が、まぁそんな事とは関係なく、リアリティの意味ではなかなかのお話でした。
すべてに過剰という事がない。
 ちょっとした事で魔女と疑われ、実際に命を落とし、人々の冷たさと温かさと、宗教、迷信の愚かさ。
知らないものに対しての恐れの感情は、形を変えると怖いものになる。
また便乗して鬱憤晴らしで残酷になれる人たちも居る。
 主人公は親がいない故に育てのおばあさん経由で魔女と疑われ、生きるか死ぬかで開拓時代のアメリカへ長い船の旅へ。
過酷な長旅を終えて新天地についても、まだまだ豊かさを享受出来ていない人々の中で、血族もなく孤立しがち。
リーダー格の神官に疑われたら最後の状況で、ラストは逃亡生活。
 この話の怖いのは日記がぷっつりと逃げる直前で切れて、実際に彼女がどうなったのかわからない所。
一番最後はその日記をキルトに隠し続けようとする、彼女の数少ない理解者の手記で終ります。
怖い…。
 なるべくそのままに書きますと言う割に小説仕立てなのがおかしい所と、文章がこなれ過ぎ、かつ現地インディアンとの魔法のような繋がりがファンタジーぽくってフィクションと解りますが、そういう事が無ければ陰鬱とした状況で、魔女狩りの緊迫感があるとある娘の人生と信じ込むような物語です。
最後のぷっつりさが怖さの余韻と言う、なかなかスリリングな作品でした。
 (しかし待て、これ、2巻がある?へ??後付け続編っぽいが…。終わり方がこれはこれで納得していたし、直接主人公の続きと言う感じではないのですが、さてどうしよう。悩み中。)
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