元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
プラダを着た悪魔

 映画を見た事がない。
まぁ先に原作かなぁ~…とお気軽に入手してみたら、とんでもなく分厚かった!
…ぇ?文庫本とかじゃないの??え?
持つ手がプルプル震える重さと厚みでした。マジかよ…。

 で、単純にストーリーはよく知られてる程度の鬼のファッション雑誌編集長にしごかれる女性編集者―と思いきや、結構細部は違った。
別に主人公はファッション業界で上を目指してるとかでなく、もっと文学的、社会的な本に携わりたいのにファッション雑誌編集長のアシスタント2号にバイトで雇われただけと言う。
 ああ、しごかれて磨かれて―って不屈のサクセスストーリではないのね。
 また、鬼の編集長はむちゃくちゃファッションにうるさくてダメ出ししまくり、でもエリート―と思いきや、これも微妙に違い、うるさいしエリートなのは確かだけど、自分が言った命令すらすぐに忘れてリアルタイムに都合のよろしい奉仕をしないと「そんな事は言ってない」的に部下を能無し扱いする単なる暴君だったあたり。
 …マジか、お前が言った通りに奉仕してる主人公に対して毎度毎度。
よくこれで主人公が仕事を投げないものです。
 と言うのも、1年頑張れば好きな所属にしてくれると言う望みにかけているようです。(勿論確約などない。)
 
 しかし怖いのが、主人公、177cm52kgと言う心配なくらいのスキニーさなんですが、これでも本人の意識が中肉中背、編集者で働いている人たちから見たらデブと言う…ぇ、BMI16.6だぞ、これ?不健康なガリだろ…。
怖いわぁ、ファッションのトップ業界、怖い。
 しかし理不尽な要求とこの業界で日々奔走する主人公の先行きがどうなるのか気になってしまい、グイグイ読んじゃいます。

 で、とにかく毎度主人公が無理難題でこき使われている内、周囲の人間関係が難しくなっていく。
職場では『暴君女ボスに虐げられている部下たち』と言うくくりで変な仲間意識が芽生えるんだけど、プライベートの友人や家族、恋人。
そこと亀裂が。
 仕事が忙しくて構っていられない、またこんな異常な職場を理解出来ない周り。
主人公が変わってしまったと不満が―。
 主人公にしてみたら今の仕事は好きな仕事ではない、でも将来の仕事に繋がるから嫌々してるの、仕方がないの!なんで解ってくれないの?―何ですけど、今の仕事が好きではないと言う部分が透けてみえるから、職場の仲間とも一定以上に分かり合えないし、両者から非常に宙ぶらりんな位置に。
 これはまぁ…解るなぁ。
目標のため頑張る主人公。
仕事が好き?冗談じゃない、友人や恋人のが好き、でもこの仕事を『しなきゃ』夢へたどり着けない。好きであなたたちを裏切ってるじゃないのよ、と。
 これが単純に好きな仕事をしていて友人たちを蔑ろにしてしまうならまだ話は簡単なんですよね。
でも好きじゃない仕事、だから自分が被害者ぶれる理由になっちゃう。
 逆にそれでも仕事をしなきゃいけないしがらみがあるのは当たり前で、周囲もそこを無視して自分たちとの時間を作れと言うのはちょっとね…。
ただ寂しいが故のすれ違いで、最後の方にはもう仕事と私とどっちを取るの?!状態。

 酷いもんで、ラスト、友人が事故に遭い意識不明となってしまう。
そこにどうしても抜けられない仕事。
主人公、どうするの?と。
 しかも寄りにも寄って年季明けまでもう少し、あの冷血な女ボスがきちんと今後の仕事の用意もしてくれると口約束までしてくれている段階で―。

 私、この物語がハッピーエンドになるのだと思ってました。
最後、えええ、これでいいの?と思った。
 ボスとの理解エンドは無し、恋人もまさかそこで別れる?友情は残ったけど、ファッション業界はしょせん主人公の目指す場所じゃなかったからこの逃げエンドでいいの??いや、目が覚めたエンド?わからん。
 よくあるハッピーエンドだと、血も涙もない様なボスが友人を選ぶ主人公に理解を示すとか、恋人とも和解、色々あったけど仕事もプライベートも充実、幸せなラストです☆ってもんでしょうけど、何と言うか非常にフラストレーションの残った終わり方。
映画はまた細かい部分が違うようですが、ううむ…??

 でも何故か嫌な感じはしないんですよね、この作品。
主人公は主人公なりに、前向きさは相変わらずだし、若さ故の迷走を受け入れているのか、もしくわそりゃぁ小娘と有能熟女じゃ戦って万が一にも勝てるわけがない当たり前の結末だとか、サクセスストーリーではないのだけど、良いファイトでしたと頷けるエピソード。
 と言うのも―この作品、続きが出ていて『プラダを着た悪魔リベンジ』と言うのがあるのです。
だよね~、あの後女ボスとの対峙が一切ないのも尻切れだし、そうでなくっちゃ!
 しかしこれ、本作と次作の間はどれくらいあいたの?
最初からそうするつもりの終わり方だったのかは怪しい。
 でも続きを楽しみにしています。読むぞ。かつDVD見たいかも。ファッションありきだから眼でもっと楽しめる作品のはず。

 ところで作中ハリーポッターの話が出てくるんだけど、ハリーポッターより後の話なのかとびっくり。
イメージ的にはこっちの方が古い気がした。
(さらに余談ですが、何故かこの本を読む間中『プリティウーマン』の曲が脳内を走り回ってました。いや、それ違うし。)
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック