元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
異世界出戻り奮闘記1  アリアンローズ 巫女だとバレずに帰ります!

 タイトルは微妙。異世界ものかぁ、よくあるよな、ありすぎるよな―と、ちょっと眇めにチェックしていたのですが、あらすじが『二度目の異世界』『前の関係者にばれないようにする』『前回振られたし』的なワードで、ちょっとだけ毛色が変わってるか、と手に取る気になった。
 それでもしょせんは異世界もの、どうせ振られた相手と復縁(とは言わないけど)恋愛ものなんだろ?とタカをくくっていたら―あれ?おもしろい。

 いやいやいや、色眼鏡ゴメンナサイだわ。
これが文章整ってるし、分かりやすいし、何せ主人公が好感持てる。
 必要以上にヒロイン体質してないと言うか、自分で自分の事は何とかする、むしろ頼ってはいけないと言う考えの持ち主。
最初に孤児だとか言う設定が異世界行きの自由さを主張するお決まり要素かと思いきや、これも違ったし。(異世界から戻ると同じ時間に戻るから、家族が心配する必要もない。)
これはむしろ主人公が自立心旺盛と言う性質の基礎設定かな、と。じゃなきゃ二度目とは言え今度は一切の加護がない小娘が、一人で生きて行こうとすぐ行動に移れるものかね。三日も野宿とか…有り得ん根性だわ。
なかなかなるほど。
 で、巻き込まれる事件がまた、よく考えられており実に自然。ありそう。不可抗力間違い無し。
とにかくストーリーの流れが自然で、お弁当屋のアイデアとか、上手くこちらの世界のシステムを利用して、かつ向うの世界のキャラたちとの接点を作っていく。
 唯一違和感を感じたのは、彼女が前回異世界に着た時、召喚された巫女として金髪碧眼になっていたと言うところだけど、神々しさを表すのに如何にもファンタジーだなと…。黒髪黒眼で何が悪いの。
 周囲の異世界の人間たちも基本この金髪碧眼人種で、まぁ許せるのは主人公の周りが、美形が多いにしろ決してハーレムにはなってない事。
だって変人、怖い先生、無愛想な騎士とか…だもん。(まぁ主人公が好きなのはこの無愛想な騎士だけどね。前回振られてるからノーカン。)

 基本的に、前回は世界を救う巫女様で神力もあったけど、今回は一般の力のない娘としての異世界で、かつすでに新巫女が別にいると言うこのやるせない設定がいろいろ効いてきます。
騎士は前回は自分の騎士だったのに、今は次の巫女の騎士。これは…切ねぇ。
 しかも新巫女は華奢で儚げ美少女で、自分はどうも政治的にその新巫女に対抗するためにお神輿で再度召喚されたご様子。そのためにそいつらは新巫女に嫌がらせ的なものもしてるし、主人公、何も悪くないのに端から敵サイドのような巻き込まれ方…不憫だぁ。
 で、主人公はなるべくその騎士に迷惑をかけないように自ら巫女関係に触れまいと、以前の知人らから一切身を隠し『バレない』ようにしている、と。
ここでタイトルの『巫女だとバレずに帰ります!』かぁ、これはかなりの逆境ヒロイン。
 とにかくヒロイン面せず、かといって自己犠牲とも違う、地に足付いた主人公なのが気に入った。
時折悩む事も人間なら当たり前の心の揺らぎで、能天気すぎもしないいい配分。
 同時に、主人公はそこまで気づいてなかったけど、「前巫女です!召喚されて困ってます、助けて!」と王宮に行かなくて正解。もし行ってたら、自分を利用しようとした側の勢力に自由を奪われたり、或いは新巫女側が解りやすく闇から闇へ葬ろうとしたり―とそんな危機的状態でもありました。
ここら辺が推測され出してから、また盛り上がるよねー。

 まぁ結局は主人公はボチボチと以前の巫女関係者と出会い、助力を得るようになるのですが、とにかく『隠れる』がスタートと言うこのストーリーが面白いな、と。
 一方騎士の方は、はたから見てると主人公の方を前回振った様にも見えないし、主人公が戻ったと知ってから新巫女側の人間にも関わらず再会・手助けに躍起になってる様にも見えるし、こっちも苦難の立ち位置。
いや、これは面白いぞ。
 一巻だけではさて、黒幕は誰?
どうなっていくの?と言う辺りで終りなのですが、続きが凄く気になります。
これは次も読む。

 しかし二巻までしか確認出来ていないので、明らかにリアルタイムで追う事になっちゃうんですけど…。
うわー、そんなに刊行早そうにも見えないし、焦れるんだろうなぁ、これから。
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