元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
オランダ靴の謎

 初エラリー・クイーン。
今更ミステリの大御所だけど、知らないものは知らないもんで、外国の名前だと男女がよく分からない。
加えてコナンのせいで女性作家かと思ってた節があったわー。二人組のPNと聞いてちょっと吃驚。
しかも作品内探偵と名前同じとか。
 で、シリーズ物の探偵なら如何にも探偵業の人かと思いきや、父親が警視で自分は文筆業と言う(ある意味文筆業探偵多すぎる)、役回り探偵だった。
父親がいくら警察の人でも、素人が現場で優遇される権威主義の空気は嫌いなんだけど、外国で、それなりに昔ならこんなもんだったんだろうか?
 ちょっと変わってるなぁと言うのは父親の方も息子歓迎で2人して『人間狩り』が趣味なところ。
父親の英才&本人ナチュラル気質のコンビと言うべきか。
『人間狩り』と言う名前は実に的を得ているね。

 さて、オランダ靴だなんて変わったタイトルだけど、どんな話?とまず思う。
作者的にもそこがポイントらしく、まぁ読めばわかるからと言う前置きから導入。
 クイーンが知り合いの医者を訪ねると、まさに公開手術が始まる所で見ていけ、となった。(公開手術って何さ…?と思ったんですが、当時普通の見世物だったんでしょうか。)
 そして衆人環視の中、手術を受ける患者がそのまま殺されている事が発見され、すわ、犯人は誰だ?!となります。
クイーンはもちろん権限もないのに全員を足止めしてアリバイを聴取するよ。
 いやぁ…これがミステリ界の常識なのか、リアルでこれくらいの事は常識なのか、文化、時代が違うと本当に判別付きにくいね。
あとどんな口調か知らないけど、クイーン親子の結構な偉そうな口と言うか、失礼な発言、ちょっと引く…。(そのくせ紳士的なところは紳士的で、職業身分云々で当たり前の態度と言うなら、時代がいただけない。)

 内容はとにかく本の紹介にもあるくらい、フェア。
もう古典的推理小説で開示すべきものを開示し、隠すところなくさぁ解いてくれと言う読者への挑戦状。
正統派だなぁ、と思う。
 犯人は思いもつかない人物だったし、まぁ動機や繋がりなんかは問題提起の後にしか出てこないから、状況だけで『誰が犯行を行いえたか?』の問題かな。
 誰が嘘をついているとか仮定し出せばいくらでも犯人は作れるけど…計画的な犯行としてスムーズに出来るのは確かにこの犯人だけだわ。
文句ない。
 ただ、靴の方については最初から『この犯人は○○だろう』と言うのがすぐに思いつきそうなもんなのに、現場の誰もその時何も思ってないのが…これもある意味時代的なものなのかなぁ?
意識的に考えもしない下地があるのだったら嫌だなぁ。
(犯人バレのため、上手く書けないんだけど。)

 あとクイーンが、やたらと自分の家の少年お手伝いを可愛がっていて、ちょっとヤバいと思った。体に触るシーンは父性愛なのかなんなのか知りませんが、ちょっと馴染まない展開でした 。

 『国名シリーズ』と言うシリーズ名だけは有名なので知っていたのですが、これが第3弾。
他は…まぁいいかな。一つ読んで大体すっきりしました。スムーズに読めるさすがの大御所作品です。
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