元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
魔法使いはだれだ 大魔法使いクレストマンシー

 すっかり追っちゃってるな、ハウルの人。ただし、こちらシリーズものと知っている。
とりあえず1巻だけ様子見ようとしているのです。
なんせあらすじが面白そうで面白そうで…。
(この人の本、設定が面白いからあらすじだけで見るとはずれが全くないんだよね。)
 クラスメイトの中に魔法使いが居る、それは誰?と言うタイトル通りのお話なのですが、こういう追い詰めもの、かつ魔法使いなんて面白そうじゃない?
七人の魔法使い』もそう思いながらいざ開くと全く違う(が確かに説明通りではある)方向のお話だったんですが、この本はどうだろう?

 外国の学校だから雰囲気違うかと思いきや、スクールカーストど真ん中の構成で、オープンないじめと言うか…一応主人公らしき少年と、魔女と噂される少女が標的です。
エリート君に、女王様と、それに媚びる一派、悪ガキタイプと…ステレオタイプそろい踏み。
でもオープンだろうがクローズだろうが、こう言う憂さ晴らしを他人でやろうと言うのが胸糞悪い感じ。
 で、この世界では魔法使いは火あぶりなので、クラスに魔法使いがいるなんて事、とんでもない事件発生なのです。
勿論根拠も乏しく主人公少年や少女なんかも疑われるのですが、同盟結んでいるわけでもなくこの二人同士もお互いを蔑み合ってて、思春期の男子女子は敵対し合っててこんなもんだろうなぁ…。
いじめられていると言う等身大の自分が恥ずかしかったり、虚勢を張ったり、男子女子関係なく必死で生きてるんだもん。
 それを抑えて統率を取ろうとする先生方も生徒を守ろうとか言う以前に個人の思惑が大事過ぎて役には立たない。美人先生がモテるためにいちいち主人公らを憐れんだりとか、生徒のピンチを利用しようとする所とか、胸糞。

 しかし予想出来ないくらいの展開だったのは、クラスにいる魔法使いが、自覚、無自覚含めて一人じゃなく数人だった事。
何と言う盲点!
これだけ居たらもう同盟組んで反乱起こせるんじゃないの。しかし魔法使いたちも仲良しこよしではないわけで―。

 では彼らが誰を頼るかと言うと、謎の呪文で呼び出す、タイトルの人、クレストマンシー。
このクレストマンシー、てっきりマーリンの様な感じの偉大な魔法使いかと思いきや、なんだかオシャレで美形な変わり者の兄ちゃんと言う感じで、曲者臭が凄い。
ハウルを思い出したわ。(性格は違うが。)
 で、こんなにも雰囲気たっぷりのちょっとおかしい感じだけど何かやらかしてくれそうなクレストマンシーに対して、子供たち実に可愛気がない。
普通、困り切ってて(火あぶりになるかもしれないのに)頼るだろう、大人を、魔法使いを。
なのに『こいつダメだ』『ムカつく』的な態度。
…クレストマンシー、よく助けてやろうと思えるな。えらいよ…。
 そこから一気に物語は『大事に』。
一クラスの問題でなく、この世界自体がおかしい、歪んでいる、直さないと、となる。
凄い展開です。
これで物語の半分くらいなのに今からこんな難問にあたるの?

 しかし上手い具合に話を絡ませて、子供たちの意識的、無意識的な魔法の相乗効果が絡まったように訳が分からないくなっているところに、クレストマンシーが状況のスキを付いて話を展開させていく。
それぞれの子供たちの立場や性格も利用しているのは見事。
 主人公の少年などは『魔法使いである事が誇らしいのに、僕に魔法使いを止めろだって?』とクレストマンシーの邪魔をしようとするのですが、最終的には世界の歪みを直す方に心を決め、自ら魔法がない世界へとこの世界を溶け込ませます―。
 ところが。
この溶け込んだ世界では、驚くべき事にクラスメイト達がケンカもせずいじめもなく、実に上手く普通に過ごしている。
皆の記憶はもはや魔法の世界でなく、普通の世界の記憶なのです。
攻撃や虚勢を張り合っていた子らが、皆で普通にじゃれていたり、親友同士になっていたり、前半があるからここはぐっと来たなぁ。

 この作者さん独特の困難の設定と解決の仕方は、ハウルでもそうだったけど、理解しづらいし、ややこしくて説明しづらい。
だから明確にこの物語の『何が問題でこうやって解決した』と言うのはあらすじでかいつまんでなど書けない。
ただあれよあれよと作者本人が自分で絡ませたぐっちゃぐちゃの紐の塊が、スルスルと解かれていく様は見ていて目が外せない感じ。
 続編もあるけど、子供たち―ではなくクレストマンシーの少年時代だそう。
え、そっちへ行くんだ?まぁ大魔法使いクレストマンシーシリーズではあるんだけど…。

 関係ないけど読み終わった後、『魔法使い(魔術師)が多すぎる』と言う本を思い出しました。
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