元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
キリン伝来考
キリン伝来考 (ハヤカワ文庫NF―ライフ・イズ・ワンダフル・シリーズ)キリン伝来考 (ハヤカワ文庫NF―ライフ・イズ・ワンダフル・シリーズ)
(2005/12)
ベルトルト ラウファー

商品詳細を見る

 外国の本、かつ、なんか古めかしい…と思いながら読んでましたが、原書は1928年発行か。なるほど。
道理でいろいろキリンについて調べ上げた上で読んでいると違和感を感じる内容もちらほらと。
キリンは水を飲まないと言う原住民の説明だとか、角の数とか、当時の記録を残していた人間の誤解もあるのか。
 まだ飼うとか観察とかのレベルでなくて…ぇっ、狩るのか。キリンは狩りの対象だったのか!?(驚)
いや、別に特別キリンだから悪いとかでなく、何か付加価値がある動物だと思ってなかったのでちょっとびっくり。
獰猛だから退治されるわけでなく、角や牙を採るわけでなく、食べるわけでも…ないでしょ?
 その昔から相当無害(と言うか温厚)な草食動物として認識されているのに、まさかの革の利用(何らかの動物の代用)、美しさとしての狩り対象でしたよ。
へぇ………。
唐突に狩りのお話とか入ってきてカルチャーショックでした。
 
 さて、タイトルを読んでてっきりキリンが日本(あるいは他国へ)輸入搬送されて、動物園で見られるようになるまでの歴史ネイチャードキュメント本かと思っていたら、実は原題は『絵画におけるキリンの東西史』的なニュアンスらしく、これもなるほど、と思った。
どうも幻想的な地に足付いてない文章多いと思ったよ…。
 キリンの美しさを外国特有の修飾語で語りだしたり、非常に稀なる、幻想動物かの様な取り扱われ方したり…。
そこへ淡々と『現実のキリンは~』みたいなものがサンドイッチされているから、まぁ当時の珍しい動物に対する憧れ、好奇心を凝縮させた、移動動物園への招待状のような一冊。
…ちょっと解る。(笑)
 この手のジャンルが何と言うか知らないけど、今ではお手軽に動物園で見られる動物達を、あえて今更未開の頭と幻想的な文章で仕上げる『○○の本』とかあったら読み漁りたい。(笑)
ライオンとかオウムとか、めちゃくちゃ綺麗に仕上がりそうじゃない?
(そもそも日本だからこそ、こんなに簡単に世界中の珍しい動物が動物園で見られるわけで…。)

 さてキリンはそんな中、本来攻撃用のはずの動物としての角が、肉に覆われた非好戦的な温厚で、博愛の象徴の様な扱いを受けています。貴婦人的なイメージらしいよ。
あのほっそりさは確かに優雅だよなぁ…。
 かつ麒麟との同一視も。
元々麒麟自体いろんな動物の寄せ集めの姿であり、古い時代の絵なんかだと混じって伝わったり、歪んでいく伝言ゲーム性を感じる何かがある。
龍と鰐の関係にも同じような事言えるかもね。
 そしてキリンの夢は『経済的な凶兆』だそうです。…うわぁ…。
 後は現実を書いてるんだけど合っているのかわからない記述が、『キリンには前足にしか膝関節がない』と言う辺り。
…ぇ??
もしかして、キリンは後ろ足が曲がらない…のか??(ギャロップ駆け足しか見た事ないしわかんない…。座る、立ち上がる瞬間も見れなかったし。)
それから歩き方(走り方)も今とは違う記述がありました。『キリンは後ろ足から歩き始める』とか何処の足と足が一緒に出るとか。
今度から気をつけて見てみようっと。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック