元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
お告げのマリア 長崎・女部屋の修道女たち

 国内外を問わず社会的弱者、治安、文化関連を最近読み漁ってますが、今度は日本における宗教的な存在に付いて。
 どうしても日本の案件は、多少古い時代の資料に寄っちゃうな。分かり易くピークの最期までを読めるからか。
 
しかしこちらはキーワード孤児で探したからか、基本孤児院を兼ねての宗教話と言うか、一人のキリシタン弾圧を受けた女性が、何と何百人もの(戸籍上の)養子を迎えて孤児院をしていたと言うお話です。…孤児院やるどころか、自分の戸籍に入れちゃうって凄いな…。
この人の戸籍簿、紙数枚どころか、一冊の本になっている状態なんです。
 その多くが、乳児等ですぐに亡くなってしまうのですが、長じた子達も多く、皆がその女性の名字をもらっていました。
 だから戦時中、同じ部隊に『長崎の○○』と言う姓の兵士が居合わせる事が多く、聞いてみたら世代も色々の孤児院出身者が多く、十数人規模で出会ったと言います。…凄い。

 さて、しかし話のメインはやはり宗教弾圧の話になります。それどころかなかなか興味深いのは宗教内部での抗争も書かれている所。
平等ったって男女で差別付けるとかねぇ…。
 他、女部屋に関わった色んな人女性(シスター)たちのそれぞれに苦難に満ちた生き様を区切りつつ書いてくれているのですが、これだけの数の人生を見ていると、まぁ何とも複雑な事です。
 それらの色んな人生の中で皆が女部屋に入り神に一生を捧げると誓った経緯。
また時は原爆投下の日にも下るので、キリシタンが長く伝えられた地域性の他、『受難』について考える環境が揃っていたのでしょうか。
 メジャーで一見クリーンに見える宗教の、裏側でディープな世界を見た気がします。
金回り
 さて医療&マッサージに金が要り様な時期に、お祝いだの、通院で参加出来ずに申し訳ない後輩の飲み会代カンパだのが重なり、あれだけやった残業代も大体トントンと言うサイクルに気づいた私。
ふふふ…その分外出しないからそこは良いんだけど、冬眠リスの如くお菓子を買い食いしちゃって、おい。な感じです。

 そして目につく宝くじのポスター。
…とうとうハロウィンまでダシに使うのか…。
 こういうのって、乱発されると還元率はどうなってるんだかとか、売れ行きがヤバいから出すのかなとか色々勘繰っちゃいますね。
とりあえず『今だ、買え!』の天啓がないので買っていませんが。
 大体電車の中ではこういう吊り広告を見て、いくら当たったらリタイアしていいのか妄想を始めます。
小さい頃から引退生活に憧れていた枯れている私ですからね。
 あー、人並みのリタイア年齢になる前に体力尽きそう。( ̄ー ̄;)
マラス 暴力に支配される少年たち

 孤児本からちょっと範囲を広げて。
社会的弱者の日本や海外との現状って言うのが、知れば知る程衝撃を受けるものですが、今回の本はストリートチルドレン。(あれって、親が居なくてストリートチルドレンになるって限定的な意味じゃなく、親が居てもそう表現するのね。)
 南米を中心に、メキシコ等でそういった子供たちが、地元のギャングたちに吸い上げられていく様子を語ったドキュメンタリー。
…治安がなぁ…。
 しかしてっきりもうそういう気質なのかと思いきや、そもそもギャングたちが、子どもに『仲間になるか、金づるになるか』の選択を迫り、断るに断れない状況だとの事。あぁ…これは不憫だ。
どちらを選んでも、暴力から逃れる事は出来ません。
 それが嫌で逃げ出した子供たちは、ギャングたちから遠ざかろうと国境を越え、メキシコなどに流れ着き、それが不法移民だのストリートチルドレンと呼ばれるようになるのですね。切ない。

 最初にインタビューで人生を語ってくれたのは、また逆でそのエネルギーに魅せられ、自らギャングとなった子供の話でした。
しかしもう何が想像もつかない世界って、8歳くらいの時からギャングと接触するんですよ。
で、12~18歳くらいの若者中心のギャング団の、リーダーになっちゃう。12歳で。(12歳で18歳を従えるほどの強さと怖さって…凄いな…。)
 あとはとんとんと犯罪者コースですわ。
子供の頃のやんちゃと違って、もう犯罪自体が生活の糧となる。
 気付かないんですって。スリやら喧嘩が、いつの間にか強盗や殺人に変わっていって自分が『喧嘩の強いヒーロー(と思い込んでいる)』から『犯罪者』と呼ばれる存在になって行くのを。
 一目置かれる存在に、強くなりたいと言う指針が、ギャングだったと言う、見本からしてそういう世界で育ってしまったが故だと思うと、辛い所ですね。
 ただ、やられる側の事を考えない想像力欠如は、個人的な資質もあると思います。
 何が凄いってこの人、家族があって、ちゃんと中学までは通っていて家にはギャング団のリーダーだとばれてなかったんですって。(まぁギャングの中でも珍しく薬はやらない派だったらしい。)
それが今では神父。…え?
 しかも刑務所の中で、説教をする役だそうで。
どうやったらそんな風になるのか、この人、今でも若い内です。
ギャングに入るのも早ければ、改心するのも早かったのでしょうか。
 キリスト教的な生き方が沁みついていたのかと思うとそうでもなく、ある日敬虔なキリスト教徒を襲った時に、その人が信仰的に死ぬのが全く怖くなく、その姿に衝撃を受けたそうで。
 自分が際限なく力を求めているのに死ぬのはどこか怖いと言うのに、こいつは、何の力が無くてもキリスト一人で死ぬのが怖くない。
死と言う恐怖から逃れるには、今の道じゃダメなんだ、と思ったと言う。
 …うん、まぁ、ギャングよりは全然良いんじゃないだろうか。(信仰心による死への恐怖の拭い去りもどうかと思うんだけども…。)
 結局この人は根っからの『怖い物』に対する過剰反応で生きてきたんだろうね。

 この様にギャングにも色々な人が居て、表面的な振る舞いとして現れる大人たちの姿が今の南米で、それを見た子供たちが―と言う負の連鎖が起こっているのかな。
あそこら辺の治安はもう、卵が先かニワトリが先かなんだね。
 警察もギャング団と癒着していて個人の力ではどうしようもない。こういうのが移民問題にもつながっているかと思うと、根が深いわ…。

 他、ギャングの存在が人から尊敬され、強いという事で憧れてなった人の話とか。
少年にとっては自分を守ってくれるお兄さんだったり、人からいじめられなくなることが『尊敬されてる』に映るんだね。
 それは周囲が暴力を恐れいたり、腫物に触るみたいに特別扱いしてるだけだし、優しくするのもギャングに引き入れる一歩。
そこを勘違いしたまま足を踏み入れて、15,6辺りで『人を殺してこい』と命令されて初めて怖くなり、逃亡したと言う。…ここでためらいなく命令に従ったらもう完全に犯罪者の出来上がりと言うわけだ。
 しかし子供の頃の習慣は染みついていると言うか、彼はその後も死ぬ気で逃げてあんなに怖がったギャングと同じように、問題を暴力で解決したり、盗みを辞める事が出来なくて…となる。

 環境によってどう育てられ、周囲の大人たちから何を見て育つかで、人はいくらでもこう育つ可能性はあるよね。逆に言えばそれがしっかりしていればもっと違う生き方も出来る筈だ、と。
個人の資質もあるけど、さてではこの環境がどうすればまともになるのか。
 著者はギャングを殲滅するだけでは根本的な解決にはならないと考えます。
上記のような考えを、ギャングを殲滅する側の、同じような地域で育った同い年の若者ですら、『少し違えば我が身』と言う理解をもってその仕事に付いていました。これを理解しないのは現場を知らない、机の上で物事を決める人たちだけだと続けて著者は言います。
うーん、難しい…。

 しかし中で、『弱いものを好奇心を持って眺めるなんて、(自分は)下司だ』って話があるんですが、最近この手の本を探してしまう自分にもグサッとくるものがありました。
しかし、知らないと興味も持てず、興味が無ければ世の中の問題点を考える事も出来ず―中々思考の海に投げ出される感じです。
 南米、メキシコの治安をただただ酷いと思っていたいましたが、読後はまた違う重さに取りつかれる本です。
大掃除をパスする年
 ―うん、今年は、無理だな。(´∀`)ノシ
そう、私が大好き大掃除、平時から割と大掃除。
これの本番とも言える年末大掃除ですが、今年は『無理』と判断しました。
 もう今の時期からすでに掃除が上手く回ってないんですが、何せ肩が痛いままなので体優先で、今年は大掃除をしない事としました。
…掃除好きの癖に潔癖症じゃなくて良かった…。
 多少掃除をサボっていても大丈夫な位に普段から綺麗にはしているので、こういう時、汚れが溜っても治ってからやりゃぁいいわで許容範囲で済むのは有難い。
体って本当に資本やでぇ。あと備えあれば憂いなし。

奇跡!大惨事(パニック)からのサバイバル 天国と地獄は紙一重!?

 世紀の大事故からの生き残り案件を集めた本。
まぁ、サバイバル術を教える…とまではいかず、『こうしたら助かる!』と言うよりは『こうしたから助かった』本です。
 この煽りタイトルですし、カストリ系かと思ってたら意外とマトモ寄りなので読めたと言えば読めた。
 ただ読後にほとんど記憶に残らなかったのが、暇つぶし本かなぁ。

 しかしこういう案件を見ていると、人間万事何事も不慮や不幸が怖いと思うわ。
こんな事態気を付けてなんて日常生活送れないよ…。
水買い
 ちょっとずつ小刻みにやって来るローリングストックの日々ですが、ここから一年はひたすら水の交換になりそうです。
多いに越した事がないけれど、昔は1人1日2Lと聞いていたものが今は3Lとか、もうキリがないよねぇ。

 何より重いのが困りもので、最初の頃には安いのを見つけて買って帰ってきてたんですが、最近はもう通販に頼り切り。ごめん、配達員の人。ありがとう、配達員の人。
 しかしおかげと言うか何と言うか、通販は当然目視で買い物出来ないわけで、この様に賞味期限がばらつかずに偏っちゃったんだよなぁ…。出来れば通販物も賞味期限明示しておいてほしいわ。(安いのは当然期限も早いと言うトラップもあるし。)
 とりあえず今回はリュック用とか色々な所に点在させる用に500mlものを買ったのですが、交換も中々に面倒臭い。
職場に数本、車に数本、家の中にも小分け…。

 まぁ空腹にはある程度耐えられても水だけはないと切実に困るので、これだけはきちんとしておかないとね。
ヒーローズ(株)!!! [正]

 タイトルから溢れるわくわく感。
プロローグがなかなか衝撃的で、不良に絡まれて怖いなぁ、そりゃ無難に逃げるよねとか思っていたところに小学生の交通事故、一転、あの不良が泣きながら小学生を助けていて、物の善悪、人柄ってなんだ?と思わせてからの暗転―。
 始終、個々の辛い過去と、それを乗り越えてちょっとでも誰かを助けようと言う、人情ストーリーでした。
は~、コメディっぽく思ってたら違うのね。

 主人公はさえない毎日を送っているフリーターで、田舎からはもうすぐ寿命を迎えそうなお祖父ちゃんのため、一度帰って来いと言う母親の矢の催促。
でも会社を辞めちゃってて、故郷に錦を飾れるわけでもなく、先延ばしの毎日。
 そんな彼が、風変わりな新しいバイトを開始する。
それがヒーローズ㈱。
自分がヒーローになるのではなく、誰かがヒーローになるのを助ける会社。
 コンセプトが素敵。
 何よりもそのヒーローと言う観念が大事で、アニメみたいなヒーローでなくて良く、誰かにとってのヒーローであるならば、世間に夢を与える漫画を描く漫画家でも、期待の女優でも、とにかく何でも構わない。
全力でそのヒーロー像を助けるなんでも会社。
 実際主人公はスランプの漫画家に続きを書かせるためのお手伝いをやらされる。
バイトの最期の日には、その漫画家から感謝され、似顔絵を送られるのだが、それが本当に嬉しくて、とうとう主人公はこの会社の正社員を目指す事に―。
 かなりの人生エールストーリーでしょ?

 まぁ正直、リアルに近いと言うか、悪く言えば一つ一つの事件は地味。
 ただ、出てくるキャラの過去とか、乗り越え方とかがひとつひとつ掘り下げがきちんとしていて、解決の仕方もたまたま上手く行ったパターンばかりなのだけど、その分嫌な気分にならず、皆頑張っているんだなぁと思えるのが良い。
(しかし私なら美容師さんの過去話は、そんなの相手は自業自得だと思うんだが、自分も悪かったなんて思える美容師さんはお人好しと言うか、釈然としない。これが和解しそうだからちょっと優しい世界過ぎる気がした。)
 ちょっとまだ全体的に固いと言うかバランスの取れてない感じに映る作品なのですが、青春映画風にパワフルに撮れそうなお話だなと思いました。
年末に向けて
 さて、年末のスケジュール調整の時期が近づいてまいりました。
私の場合何よりも真っ先にしないといけないのは、そう、通院予約です。OTL
 くそぅ…定番で通う所や、新年を前に歯はチェックしておきたいとか、今年はこれに肩痛さんまで混じってきてもうてんやわんやです。
いつから休みとか臨時休業も調べつつ、カレンダーとにらめっこ。
勿論年末を見越して薬の量を確かめたり、在庫を溜めたり。
更には車の整備とか買い出し日の調整。
 ふ…忘年会?そんなもん通院日と重なったら断るしかないわ。

 不健康人はこうして生きていくしかないのであった。
あー、辛気臭いスケジュール帳だ。
アトランティス・ミステリー プラトンは何を伝えたかったのか

 土台の大きそうなオカルト、アトランティス大陸ですが、これは証拠本の中でも『いや、元々の初出はプラトンで、こういう記述だったんだよ』と言う伝説の独り歩きをも超えた由来本。
タイトル見た時に、アトランティス大陸の話って、プラトンが最初だったのか…ピリレイス辺りの地図考察筋かと思ってた。(因みにあれは南極大陸ですらなく、アフリカ大陸。)
 しかし知れば知るほど面白い、プラトンが限りなく真実に近い歴史として、とあるエジプト人の『おじいちゃんが言ってた』レベルの話からアトランティスを引っ張ってきていたとは。
物凄く近代オカルトっぽいのに、古代エジプト由来とはねぇ…。
 まぁ遠い昔は今と違い海が開拓されてないフロンティアの時代ですから、新しい大陸だの、沈んだ大陸だの、かなり科学的に聞こえた夢物語だったのでしょう。
 私だって地球が丸いと言われればそんなの当たり前だろと信じるわ。平らですもん。

 しかし読み物としては膨大な資料が一気に紐解かれたものなのですが、イマイチ乗れず。
歴史を追いかける話は最終的には当の本人の真意までは解らないものね。歯痒い。
 はっきりと物語でした、とかでない限り、プラトンのアトランティス発言は謎のままで、ただオカルトの起源には迫った一冊かと。
雨雨雨
 梅雨よりも雨が多いと感じるこの秋。
台風の影響かすごい大雨もあって、毎日傘が手離せません。
 しかし、肩が痛いからなるべく重い傘は持ちたくない+傘を忘れる私ですから、不便ながら軽量の折り畳み傘でやりすごしております。
…うん、買って良かったウルトラ軽量折りたたみ。
自動開閉じゃないのが面倒なんですが、ここまで役に立つとはなぁ…。
(とにかく肩が痛いもんで、最近重いものは極力避けてます。)
 折角夏が早く終わったのに、カラッと晴れた秋が良いよぅ。(._.)
知ってるようで知らない日本人の謎20 

 そそられるタイトルでしたが、思ったよりは学術的で、思ったよりは雑学本でもなかった。
何というか中途半端かなぁ…。
 多分、専門的にやったやつを分かり易くまとめてくれた結果の立ち位置だと思うんですけど。
確かに読み易くしてくれてる所には感謝。
 まぁ取り上げる話題に脈絡が無く、まとまりが感じられないとか、そこら辺で雑学本っぽい匂いを感じてしまうのか。
 鯉のぼりだとか、田植えとか、ある程度知っている事も載っていたんですが、同じ結論にしてもそれをあれだけの量で語れる知識量と、他の何かで読んだ際の一言コラムの様な端的な知識と、その差がありすぎて、かと言ってそこに日本人の根源なようなものを何か感じるかと言われればどうも微妙なもんで、そこら辺のバランスが難しかった一冊。
 上がる、入るの自分が使う言葉としての違和感とか境界の話、世代差もあるのか、『日本人ならこうでしょう!』と言うラインに共感しきれなかった点もあり、まぁ流し読みになりました。
 タイトルからは日本人のルーツ本かと思ってけど…違ったわ。
孤児たちの城 ジョセフィン・ベーカーと囚われた13人

 同じく孤児について書かれた本を探していてふとタイトルにデジャヴュ。
あー、なんかこれ聞いた事あるな。
黒人で成功した歌手か女優かが人種バラバラの孤児らを大量に引き取ってでっかい豪邸で住んだけど、なんか変な趣味とかあったんじゃないかって噂されてたやつ。
 でもこれ、最初の一人目が日本人の男の子で、実際に批判される事も多い主だったらしいけど、子どもが後に語る所によると特に虐待とかはなかったはずなんだよね。そもそもあちらじゃ、人種関係なしの養子縁組って多いしなぁ。(夫婦でないといけないとかは、ないのかな?)
 スキャンダラスになり易そうな素材だけど、実際はどうだったのか、興味を引き。

 で、何というか良くも悪くもこの人の筆致ってのが凄い物語的で。
情緒的かつ雰囲気の描写に力を入れているのか、ドキュメンタリーなのにモキュメントかと思わせるばかりの情景に力を入れた表現力。
これが最初から最後まで続く。
 いや、本当に何かしらのフィクション物語を読んでる気にさせてくれますよ。(褒めている。)
 ただ、勿論ノンフィクションを表すには、多分に作者側の感傷が入りすぎているように感じる。
タイトルからして『囚われた』と意味深な付け方だし。
 そりゃあまぁ作者からしてみればまっさらな目で会いに行った時から原稿を起こしているのではなく、最後まで聞いてから時系列を書き出すんだから、最初から『最後まで聞いた上での印象ありき』の上での色眼鏡は出てくると思う。
 しかしそれがインタビューをした息子たちに感じた事が、寂しそうだとか無邪気、はたまた心を閉ざしているだとか、とにかく個人的意見かつ推測で決めつけに近い印象操作を与えてしまっていて、インタビュー本としては客観性に欠ける印象。
 なのでこの本は一種現実を基にしたとある一人の人の『感じた事』本としてしか読めなかった。
…この人、絶対フィクション作家になるべきだよ…表現力とか凄い惹きこまれるもん。

 しかしそこで語られた子供たちの話自体に嘘はないわけで、事実のみを拾い上げると驚くべき当時の生活が語られています。
 まず、ジョセフィンは確かに噂される要素は持ち合わせていて、バイセクシャル。(ただこれは公言してるし。)
エキセントリックなエピソードも多いし、子供を慈善の心で救ったかと言えば少々自己満足的な所が見え隠れする。
 最初から『虹の部族』構想があって、それに合わせて人種や肌の色が違う子供たちを7人、一緒に育てて平和を訴える、自分はそこの聖母様!と言う狙いの元に各国から集めた様。
 結果、子供は増えに増えているけど、それも衝動的に『可愛い!この子頂戴!』とか、同時にその場の勢い。
 つまりそこそこ見栄と言うか大胆な夢を抱いているが、行動は無計画で感情優先と言う聖母的なイメージとはかけ離れた人間臭い彼女が語られている。
 それを証拠に、彼女は集めてきた子供たちの人種を偽っていた。
同じ国から集めてきた子供を、わざわざ別の国の子供だとして育てていて、より『虹の部族』テーマを装飾していたのだ。
 この徹底ぶりもひどくて、世間に対して偽るだけどころか、子ども自身にも嘘の人種を教えて育てていたそう。
長男のアキオは、成人するまで韓国人と教えてられ育てられていたそうで。…明らかに日本名なのに、やはり詰めが甘いと言うか…。
(おまけに長じて子供たちが反抗的になってくると、お構いなしに厄介払いかの様にアキオに「お前は日本人だからちょうどいい、日本に留学して来い!」とたったそれだけの言葉で日本人だとばらした。本人トラウマですわ…。)
 とりあえずこの人はその場限りの『いいと思う事』を恐らく悪気もなく嘘の意識もなく感情的に喋っていて、本当に自由気ままに生きていたんだろうな…。
 子供たちが自分の都合に合わせるのも当たり前で『自分が母親なのだから子供たちは自分の自由!』とばかりに、仕事帰りの深夜に子供を叩き起こして必ずキスするとか、急に皆を連れて外出するわよ、と子供の予定があって拒否したらヒステリックに泣き叫ぶとか、なかなかの性格のご様子。
 確かに経済的に苦しくなった時も一人も捨てる事なく育て上げた所なんかは立派で、素晴らしい理念もあった人なんだろう。
ただ、エキセントリック過ぎたのね…。

 まぁ、子どもたちからしてみればいい迷惑で、割とトラウマが残って長じたものも多数。(自分は奔放な恋愛を繰り返すバイセクシャルなのに、子どもたちの性的倒錯は認めなかったり、恋人を作る事を妨害していたり。)
 そして残念ながら、兄弟たちの繋がりは残るが禍根も多く、ジョセフィンに対しての意見は色々分かれる。
 さて、果たして彼らは自己中心的な聖母の暮らす城に、囚われていたのだろうか。
派手なスキャンダルに彩られていたとはいえ、大なり小なり、この家庭と世間のたくさんの家庭と、掘り起こせば問題点など同じくらい上がってくる気がする。
 非難的な意味で囚われていたとは、ちょっと違う気がしたわけですが、作者のとにかく緻密な情感表現と、ジョセフィンらのワンダーを感じるのが醍醐味な一冊。
くらしの防災

 防災本と聞いたら読まなくちゃね、と思ったのですが、この本、何か読み辛い。
 実際に震災を体験した人の本にありがちなのだけど、体験と言うものが良い方悪い方に作用する事があって、ちょっと悪い方に傾きがちな本かな。
 いや、体験からくる必要なものの話は実際得難い情報なんです。
ただ、防災本と言うより体験本で、情報がとっ散らかってる。
事柄が重複する。まとまりがない。
 本としての構成の悪さが読み辛さを前面に押し出してくる。まるで震災時の個人の日記を読んでいるような思った順の組み立てなのです。ラストそれなりにまとめた形跡はあるけど、あって便利なものも数多過ぎてとてもじゃないけど持ち運びとか困難が伴いそう。
 そう、何が無くて困ったとかは確実に解るから中の知恵に文句はないが、役立てるに役立てない。

 淡々と事典のように、使う人に役立つ、分かり易い内容と構成にしようと言う部分で能力不足を多々感じた一冊。
この本は、体験本として書いて、別の人がまとめた方が良かったんじゃないのか…。
作家や構成、編集の能力はまた別の話だもんね。
戦争孤児と戦後児童保護の歴史 台場、八丈島に「島流し」にされた子どもたち

 孤児院ビジネスの話から、なら日本の孤児院はどうだったのか。
なんて所から本探し。
これに当たる。
 島流しと言う強烈なタイトルですが、戦争孤児と言う一気大量に現れた存在を、戦後の日本がどう取り合っていたか、ですね。
 『国の命令で父親を亡くしたのだから、戦争孤児は国が養うのが当然』と言う理屈はよく解りましたが、それで戦争孤児が普通の孤児より手厚く保護されるのに不平等感とかもあったのですって。…うーん、確かに理屈に適っているようだけど、現場じゃ実際の子供たち前にそんな不平等は辛いか…。

 この様に時代や背景、立場の違いで衝撃を知らされる本なのですが、さらに驚いたのが、孤児らは浮浪児であり、狩られる対象で合ったという事。
綺麗事なしに、保護の対象であると同時に、治安や衛生上の問題もあり、痛々しくあると同時に苦々しい存在でもあったのでしょう。
 政府の方針で浮浪児狩りと言う単語自体が衝撃ですが、実際に捕まえるのに一匹二匹と数える現場も。…怖い。
 そのせいか、食べるものや住む所、風呂、衣服を与えられるにも関わらず、孤児たちは施設や役人の手から逃げ出すのが当たり前だったらしく。
え…保護されて施設から逃げ出すのか…。
 住む所も食べるものもない彼らが、どこに逃げようと言うのか。また、それほどまでに『全て』の孤児保護施設が地獄だったようにも思えませんが…。
 恐らく当時を実際の孤児らが語る体験の中の一部がクローズアップされている事もあるのでしょうが、現にこの島流し、「あー、もう逃げられないように島に閉じ込めちまえ!」と言う孤児らが施設から逃げないようにする対策でもあったようです。…なるほど。
 子供らは、逃げないように職員の目が届かない時間は服を脱がされて逃亡防止されていたと言う話もあるのだから、どれだけ捕まえ、逃げられのイタチゴッコがあったのでしょう。
(しかし捕まる孤児らは、犯罪や売春等、まともな金稼ぎは出来ていないわけです。病気にもかかっていましたし…。
孤児らはただ現代の感覚の様に「子供だから可哀想」だけの存在じゃなかったのが痛ましいですね。)

 孤児に付いての本を探していたとはいえ、外国と比べるのにこの昔の戦後の孤児の本では比較にならないでしょうか。
ただ、混乱加減と言うか、ある意味経済的には同じ程度で量れそうな気もしますが…。
 肝心の子供たちが何故逃げるかですが、家がないのに家に帰りたいとか、ここではなく東京に行けば―とか、現実的な救済ではなく、希望のような物だと思えました。自由がない事が人間らしく生きられない理由であるのは解ります。しかしその自由の先に何があるのかは、また別の苦しみであると見えている場合でも、求めずにはいられない―ある意味希望の残酷な一面を見た気がします。
勿論施設の運営自体にも多くの問題は合ったのでしょうが、さすがに例の外国の様なビジネス―はなかったわけですが。
 管理される事自体と、寝食を与えられる事、価値観もあるけれど、一概に管理する側だけを攻めにくい…。少なくともやってる方は救済だと言う認識だけはあって、やり方が上手くなかっただけなんでしょう。
 それもこれも、当時そこにいた少年たちに「逃げたかった」と語られたら綺麗事になっちゃうんだろうか…。実際に海に逃げ出して溺死した子供たちも居た位なので、外部からは見えない色々もあったのでしょうが。
逃亡に成功した子供は、果たして少しでも幸せな生活を送っていれば良いのですが…。
 ただ、最終的にはそういった施設も感化院にもなっていったようで、そこまでくるともう少年たちとの大乱闘。
少年たちは火を付けたり、大人たちに暴力を振るったり、凄かったようです。
それで余計に島の住人たちから色眼鏡で見られると言う―。

 放っておけば食べれなくなる。貧すれば鈍する。生きるための盗みが正当化され、ますます周囲からつま弾きにされる。根本と思える生活を援助しても、管理されるのが生きている人間という事はこんなにも難しい。
世界の猟奇ショー

 猟奇って言ったじゃん。
とんでもなく下ネタしか無い一冊でした。
 えーと、猟奇と言う言葉の意味を私はグロ方向の意味でしか捉えてなかったけど、エロ方向の意味もあるの??
まぁ別にグロ事件簿を想定していたわけでもなく、『ショー』なので、世界にはこんなとんでもない事を見世物に、売り物にしている商売があるのですよ!的な本かと…。
 いや、やっぱりそれでも猟奇事件ファイルまでだろ。
何故下ネタ事件(ほぼオンリー)ファイルなのだろう…。
 たまーに、本当にグロも交じってるんですけど、エロも漏れなくついてくるから本気で首を捻った本。
 文章本かと思いきや、エッセイ漫画だったのも予想外でした。
痛みの入り口
 はい、先日からの肩の不調が全く良くなりません。
それどころか悪化してらぁ!う、腕が痺れる所までいきよった…。
 散歩大好きの歩きすぎで出た膝の痛みの時にも『将来老いてすり減るやつの入り口』と説明されたけど、これも『これが酷くなると四十肩です』だなんて、入り口ですらこんなに痛いってどうなのよ?!!!歳取るの怖いわっ!!

 で、その入り口の方の痛みですが、対策してみたのは『肩凝りの飲み薬』『筋肉を緩める薬』『貼る炎症剤』…と、全く効かねぇ…。OTL
 こんなチンタラした対策ではダメだ、もう直接揉むしかねぇっ!!と思っても肝心の患部が鎖骨の裏側と言うか脇の奥と言うか、肩の付け根でどうにもこーにも…。
 頼りにしている整体屋さんはなかなか行けないので、近くの整体屋へ行きましたが、確かにピンポイントで揉んではくれますが、直ぐに治るもんでもなく、通ってね状態。
 それに我慢出来なくなり、とりあえず血行良くするために普通のマッサージ屋さんへGO。
久しぶりに男性(顔は知っていたけどやってもらうのは初)にあたりましたが、これが…上手いよ?!この人っ!!Σ(;'∀')
もう触る所全部的確に痛い。
縮まってる筋もストレッチで伸ばしてくれる感じで一気に可動域が楽に。
(自分でやる以上に物理的に引っ張ってもらえるので。)
 オマケに連動していた頸の肩凝りに至っては賛否両論の首の骨鳴らしまでしてくれて、ちょい焦ったが賭けには勝った、された瞬間すっげー楽に!!(T▽T)
 結構な力でグイグイほぐされたせいで、その後の揉み返しは酷かったけど、それが取れて来たら断然施術前よりも肩の痛みが取れてました。
…もうね、こういうのね、店じゃないよね、個人の力量だわよ…。
 あああ、もうしばらくこの人指名で通おうかな。
それで治る気がしてきた。

 あと肩にはストレッチが有効と覚えておこう。
今の今まで気にしてなかったけど、毎日のPC作業とか、肩凝りにくるんだねぇ…。
田舎の家のたたみ方

 田舎に、ましてや親の家などないけど、昨今の老人増加問題、並びに持家余り減少に何か打開策はあるのか、と興味を持ち。
さて、良くは知らぬが昔の人気漫画家さんが書いているのか、ほぼほぼ漫画でした。
…本文…。
 正直文章の方は無くても漫画でほぼ語られているので本末転倒なのかどういう構成なのか。原作:作画で良いような気がする。

 で、田舎の家ですが―最終的にはマイナスしか思い当たらないなぁ…。
相続税や固定資産税は僅かとは言えかかるし、住まなければ家はすぐに荒れる。
荒れた家に入り込む人や動物、安全策を講じる必要性。
更地にしないと売れないけど、更地にしたとたんお金がかかり出す―この連鎖。
 自分が育った家だから残っていてほしいと言う兄弟で、でも自分は田舎に住みたくないと言う押し付け合いも困りものだし。
 終盤近く、空き家バンクが少しは救いの手になるかとも思えましたが、成立案件が意外と少ないようで、あれも最初は画期的に思えたのですが、なかなか打開策とはならないようですね。
 主人公は結局、都会の家は将来子供に『貸す』(貸すの?!)、自分たちは田舎の家に。たまに都会へ還る―などと半々で折り合いをつけてどちらも引き継いでと言う感じでしたが、これも現実的とは言い難い。
 これで万端と言う結果は得られないままの最期でしたが、今後の持家問題を早くから考える投石にはなりそうな一冊です。
災害眼鏡
 そのまんまずばり、非常時の視力の問題です。
うーん、いざという時裸眼だと本当に行動が制限されまくりの視力なので、それだけのために何度もレーシックに誘惑されそうになるわ。(それはそれで怖いからしないんだけど。)

 今は避難用リュックに使い捨てコンタクト入れてるんですけど、足りないし、即効性に欠ける。
で、古くなったメガネなんかも入れてるんですけど、所詮は視力が合ってないもんねぇ…。意味ないわぁ。
 しかしわざわざリュック用に眼鏡を作るのも手痛い。視力だってまた変わるし。

 そこで今年のリュック見直しでは視力が変わっても使い続けられるエマジェンシー眼鏡を購入する事に致しました。
範囲内の視力になら調整可能ってメガネです。
 さて、購入して試しにかけてみましたが、ああ、確かにピントが合うと見える。見えるが…酔いそうな視界だな。
なんつーか見え方は宜しくない。
まぁ、あくまで非常用だ。これで良しとするしかないな。

 昔から比べると、今は便利な非常用グッズがたくさん出てきてるよねぇ。
有難い事だけど、それだけ災害大国だと思うと、なかなか笑えんな。
キリンですけど

 キリン本。
 このキリンですけど、の後に続くのが『…○○になりたいんです』だったのが予想外。
てっきり『キリンですけど、何か?』的なやつかと。
 チーターになりたいとか、サボテンになりたいとか色々あるんですけど、すべて夢の中だと言うのにロクな結果にならないキリン君に涙。
ゆ、夢くらい良い結果で終らせようよ!(て言うかキリンってほぼ寝ないのに夢の話ってのも皮肉だな。)
 ラスト、人間になりたいシーンだけ、夢じゃなくて現実で、逃げまとう人間たち。
いや、おかしい普通、キリンがきたら子供たちは大興奮で近づいてくると思うが。(可愛い動物に夢見てるし。大人はビビるだろうけど。)
 最後はやっぱりキリンが良いと言う、ネズミの嫁入りみたいな話でした。
カンボジア孤児院ビジネス

 タイトルがすべてを物語る、孤児院にビジネスと言う不穏なキーワード。
お察しの通り、孤児院が金儲けに使われていると言う話です。
 著者はこの件で何度も現地へ取材に言っているようですし、研究だとかニュースだとかではなく、ジャーナリストとしての本かな。

 しかし…色々衝撃を受けました。
予備知識でこのタイトルなのにそれでも予想よりも酷かったのが、思いつく限りの子供への虐待とかよりも、『そもそも孤児院と言いつつ、親のいない子がほとんどいない』と言う事でした。
 ―どういう事?と思ったら、貧しい家の親が、子を育てられない、教育が受けられる、金儲けになると言う理由で、孤児院に子を送り込んでくるそうです。
 それも、泣く泣くとかでなく、そこそこ子供を大きくさせたら、手のひらを返したように「うちの働き手だ」と子供を引き取りに来るんだそうで。
…ぇぇ…。
孤児院は孤児院で金儲けしているのは想像付いたけど、親…。
 そして孤児院をどんどん作り、援助金を受けながら、実態では孤児でもなんでもない子供を使って、観光やボランティアで訪れる外国人を『可哀想でしょ』『子供は純粋で何の罪もないでしょ』と愛想よく、気に入られる様に演技させ、収入を得るのです。
 せめて、せめてこれを本当の孤児でやっているなら話はまだ分かるが、本当の孤児無視で托卵の様に子供を利用するのが…とんでもないビジネスです。
 勿論そこにはやはり搾取される子供の姿があり、売春だの虐待だのの問題もあります。
それも含めて、子どもが餌にされてるのですね。

 中には本当の孤児も居るとしても、孤児院の名乗りは金が儲かるとしてどんどん孤児院ばかり増えていき、援助や寄付を謡いながら善意の外国人を引っ張り込む手口には怒りを覚えます。
(売春目的で来る外国人はお話しにすらならないですが。)
 しかし意外とカンボジア人自体は、孤児院の金の流れなんてザルで当たり前とか、親の托卵状態は貧しいからどこでもやるよとか、孤児院内の子供のえこひいきとか、教育とは名ばかりの授業のからっぽさとか、結構無関心だそうです。
…まぁ、騙される財布は外国人の物ですが…。
 しかし若い学生なんかがボランティア!海外の可哀想な子供たちを手助けする自分!とかの上辺に酔っちゃって、自分がそこで吸い取られたお金の使われ方を照査しようともしない事も情けないやらお人好しやら…。(内訳のない領収書のみで、旅行代金はいくらで、必要経費がこれだけ、いくらが子供の教科書代にとか、食費にとか、説明もない。提示されたものが嘘だとしても、考えや運動に賛同するにはそういった具体的な施設の行動と原理を調べて納得した上で参加すべきなはず。でなきゃ雰囲気を買っただけになる。)
全部ビジネスで大人の私腹を肥やされていると言うのにね…。

 まぁ、自分もこの本を読むまで、まさか孤児院を作るためにわざわざ親のいる子を集めているなんてとんでもない状況を予想だにしていませんでした。これ自体への浅ましさに加えて、本当の孤児が報われないと言う結末を考えない事も。自分たちの行為がばれるとおまんまの食い上げと、作者の取材などにはことごとくシャットアウト喰らわせるんだから考える頭があると言うのに。
 自分自身が貧しい事があったとしても、自分よりさらに弱いものから搾取する。大人同士なら弱肉強食論も解るのですが、相手が子供かと思うと、極まれり感が強いです…。(そもそもどの大人たちも食うや食わずじゃなく単なる贅沢に金を回してるもんなぁ…必要性がない。)
 生まれた国や環境で、こうまで考え方が違うのだな、とただため息をつくだけです―。
のんのんばあとオレ

 水木しげる氏。
のんのんばあはよく聞くけど、まだ読んでみた事が無かったので。

 で、のんのんってのは拝み屋さんの事なのねぇ。
ああ、なんか音的に解るなぁ。のんのんさんか。
 そんなお婆さんが家付きあいとしてご近所に居て、発育の遅かった(けどやんちゃでガキ大将を目指していた)しげる君をよくみてくれていて、そこで妖怪のお話を染み込まされた―と。
 成程真顔で当たり前の様におばあさんの口から出る妖怪には、理由も原因もあって、確かに不思議な現象がそこにあるんだから疑う事もしなかったわけだ。
このお婆さんが居なかったら、水木しげる氏の妖怪ワールドはなかったわけで、すごく重要な人物なのだね。

 しかし水木氏の小さい頃って、負けん気が強くて、ガキ大将を狙うけど大体負けていて、それでもしつっこく―と言う繰り返し。
うーん、この青びょうたんでもなく、向かうところ敵なしの強者でもなくって所がリアル。
悪戯者ではあったようだけど。
 幼い頃の町毎のガキ大将同士の戦争とか、あるある。
小さい内は外されて、大きくなると年上でも根性の見せ合いになるのよね。
普通に、昔の田舎の少年譚を聞いているようで楽しかったわ。

 いつもの妖怪的ムードよりも、少年期の珍しい水木しげる氏を垣間見れて意外な面白さでした。
外来種は本当に悪者か? 新しい野生THE NEW WILD

 心のどこかで思っていたが、はっきり言えないモヤモヤをこの本は言っちゃってくれてます。
第一前提として、自然って何さ?って所。
外来種が入ってきて在来種が淘汰されたら、弱肉強食、それが自然じゃないの?って事です。
 うん、歴史上本来は『人間が手を出さないのが自然』なはずで、ところが人間はもうずーっと自然に手を加えまくりなので、もはやこの地球上に本当の意味での原始の自然は残っていないとも言えます。
かつ人間も動物の一部だとか。
 そして在来種を守る気持ちも、人間の感傷的なものであるとの指摘。
まぁだからと言って無暗とほったらかしにしろと言うのではありません。
ひたすらに外来種が悪と決めつける事に疑問を呈している感じ。
 確かに人間の輸送や移動に伴い付いてきてしまった種や思惑によって持ち込まれた種、それの短期的な原因は人間ですから、戻そうと言う義務はあるかも知れません。
しかしそれで良い効果もあると言う事も忘れてはならないと言う事。
 面白かったのは、とあるはげ山の島を、人間が作為的に『色んな環境の色んな植物』を選んで植林したら、これがまぁ独自に生態系を作り出して上手く回っちゃっていると言う事例。
原産地の違う見知らぬ植物たちが隣り合わせる自然でない島でありながら、完全に植物たちだけでサイクルを完成させている。
こういうのは興味深いですね。
 結局『こうあるべき』と言う完成された姿が自然にはないんです。あるのはただパワーバランスが釣り合った状態のみ。
適応していく途中で、弱肉強食が起こり淘汰されていく―。
 人間が自然と関わっていくと言う事を考えさせられる話です。
平凡倶楽部

 こうの 史代さん。
ぴっぴらさんの時から好きだったけどまさか映画とか、ああいう方面に行くとは思わなかったわ。(本人は特別戦争物どうの思って描いてないらしく、それもらしいな。)でも雰囲気のある時代ものの絵柄だし、売れて嬉しい。
 こういう作品もあるんだなぁと、色んなものを詰め合わせた一冊。
彼女は描き文字も味が合って読み易いので、エッセイも好き。
しかしいろいろ遊び過ぎで中々ぶっ飛んだ本です。
 ハンコで建物を描いたり、手書き文字故の文字の大きさで文章を絵にしたり、写真を多用したり―。
エッセイ本と言うよりは落書きノートを見ているような楽しさ。
 色々突き詰めれば変わった人なのかもしれない、この人…。
わざと忌み家を建てて棲む

 このタイトルに率直にビビって。
なかなか攻めてるテーマだよね。面白そう。
 で、この人、『のぞきめ』の人だったのね。
あれは面白かったので期待です。
 そうしたらこの本、家シリーズと言う感じの2作目だった。…あら、先に1作目を読むべきか?まぁ単品で読めると書いてあるので気にせず行ってみようか。

 そもそもが奇妙な建物ミステリーやホラーは多いものの、ここまではっきりと『忌み家』と言えるだけある家のお話です。
なんと殺人だの何だの、祟りや呪いの染みついてそうな家々を、丸ごと解体して持ってきて組み立て直して、ご丁寧に家具まで再現。そんな家々を、なんと複数くっつけてひとつの建物を作っちゃったと言う。
 だから見た目からして異様。
洋風が和風になり、見る角度によって全く違う家に見えると言うやつ。とは言えひとつひとつの家々は繋がっているとは言え独立はしているので、黒い家とか白い家とか呼ばれながらも、住人はここに住む事になる。
 そう、これを建てた酔狂な主は、ここを賃貸にして『そういった家に住むとどんな事が起きるのか』を賃貸人に記録させて、何やら実験めいた事をしていたのです。
 こういう記録が昔の蔵から出てきた事で、作者(よくあるホラー小説家設定―と言うよりこの作者本人)が本物の話を本にしましたと言う体裁。
 ひとつひとつの家の怪異の記録を追う形は良いし、怖さの種類も違う攻め方に見えて飽きは来ないんだけど、終盤で一気に醒めたのが、怪異に遭っている最中に『ここで宣伝』と断って自分の本の宣伝をしている所。
 いや、作品内原稿にそう記すのは全然自然なんだよ。
怪異に遭ってもこれと似たような事をあの本の時に調べて書いたな、とかなら自然な回想の内でしょ。
でも今まさに追いかけられてる最中に『ここで宣伝』はないわぁ。
後から書いてる態だけどそれでも萎えまくり。
 自然に『昔の○○と言う本で書いた○○を思い出した』とか、馴染ませる事くらい出来るだろうに、主人公の作者視点の話に、急に第四の壁状態で読者にメッセージって…。
緊迫感台無し。
 そこまでは普通に楽しんでいたのになぁ…。

 そのせいか、ラストもちょっといまいちに思えた。
新しい貞子でも作ろうとしたかのような不気味な女性キャラ(の正体)が鼻に付く気がしたし、キャラもパンチに欠ける。実話です、との囲い込みも少々過剰。
最後のページ数の偶然とかは本当に蛇足。
 ひとつ躓いて一気に疾走感を失ったホラーとなりました。
 序盤中盤までは面白いです。
33歳漫画家志望が脳梗塞になった話

 若い人でもなる時はなるらしい、読んでいると本当に怖い脳梗塞の話。
いやぁ、なったら時間との勝負系の病気はとにかく怖いわ。
 なった事もないものだから判断付かない所、手遅れとか…ねぇ。脳系のほかに盲腸とかも、救急車のレベルがもうわかんない。

 作者さんは4時間半内と言われる症状を7時間くらいで病院へいき、そのせいかその場で緊急入院1年をくらいます。
左半身の麻痺で、1年と言うのも治る保証のないもの。
本気で怖い。
 持ち前の漫画家精神で多少面白おかしく書いてますが、耐え難い恐怖だと思います。
 また、退院後も時折痺れる腕に再発の恐怖を感じたり、人によって付き合っていく体の不調は違うとはいえ、若い内の大病はなかなかに壮絶。

 スッと読めますし、重くはないのですが、テーマがテーマなので、何とも言えない心持ちになりました。
水の森の秘密 こそあどの森の物語 12

 やっと続き~。
今回は似ても焼いても食えないキノコを、とうとう料理する方法に気付いたと言うわけで、森では皆が新しい料理に舌鼓。
あんまりにも美味しい上、保存も効くし調理も簡単。今まで誰も見向きもしていなかったそこら辺にあるキノコなので、皆で取りつくしちゃう。

 最初は何か変な毒の話かと思いきや、この話はもっと深かった。
数か月後、森が何故かぬかるんできた。
今まで冷えていた地下室が冷えなかったりと、少しおかしな状況。
 てっきり私はあのキノコが水を吸ってたんじゃないのかと思ったのだけど、ぬかるみはとうとう大洪水を起こすまでに。
あっという間に家々は半分以上水浸しの大災害!
 恐らくは水が流れ出る湖の出口に何か詰まってるんじゃないかと調査隊を組みます。
すると何かぷよぷよした生き物が大量に水の出口に詰まっているのでした。
 ここでまたキノコが逃げてきて詰まっているのかと思った。

 しかし今回はとことん予想が外れます。
それはキノコだけを食べて生きていたれっきとした生物で、森からキノコが無くなり飢える寸前で動けなくなって巨大化した物でした。
(キノコの代わりに水を飲むしかなくて、膨れ上がった。)
 せ、生態系の崩れを教えるとか、この児童書は何気に凄いな!主人公の先生が『キノコを採りすぎて誰かが困ったりしないかな?』と(今まで誰が食べているのを見た事もないキノコにも拘らず)憂慮していたとはいえ、先を読ませないし…。
 しかし過度な採取が原因だったわけで皆は反省。
自然のバランスとは行動即結果ではなく、複雑に絡み合った微妙なバランスの元に成り立っているのです。
 保存していたキノコを与えて洪水も収まり、再び平和に。
 ラスト辺りのセリフに、『何でも森が与えてくれるのに、たくさん物を溜めたら安心出来る気がして今必要ないものまで持ち過ぎていた。それは森の恵みを無駄にしてしまっていたのね…』と反省するシーンがあって、ミニマリストかくや、と思えて苦笑。

 改めてこの人の児童書に唸る作品でした。テーマを二つも織り込んで先も読ませないし…最初にこの人に惚れこんだ作品に次ぐぐらい良いのを読めました。
魔女狩りという狂気

 たまたまネットで魔女狩りの話を見て、一つの事件に興味を持ち、もう少し詳しく知りたくなって。
当該事件については全くなぞるだけで詳しくは書いてなかった本なのだけど、全体の流れはよく解ったかな。
 むしろその狂気の源を、ジェンダーを軸にして考えて、性差別を切り口に解いていく感じ。
成程、異端の内でも魔女と言えば女性が大半だったし、面白いな。
 民族性の違いなんかもあり、国によっての女性の扱い方で、一気に評価を変えた国もあったよ。
…あの国は…えー…。(ドン引き)

 今もって続く女性への軽視、差別、性搾取を歴史になぞらえた時、魔女狩りは宗教観も加わってとんでもないうねりとなったと言う流れがよく解ります。
 こうなってくると宗教が悪いんだか、何でもかんでも都合のいいように変えたり利用したりする人間が悪いんだか。
元々はすべて女性差別の下敷きがあっての事なんだけどね…。

 とにかく自分が生まれてくる時代や場所、性別など、当時そこに生まれてなかった事に感謝するしかない酷い内容です。弱者をスケープゴートにする図式が淡々と並べられます。
 同じ事の繰り返しになる部分は多いのですが、資料も多いですし、残酷な話が聞きたいとかではなく、歴史として読みたい方にお薦め。
スケオタデイズ 戦慄のフィギュア底なし沼

 グレゴリさん。
タイトルですべてですね。
アイススケート観戦にはまり、どんどん落ちていくオタクなお話。

 どんなジャンルでもそうですが、チケット争奪戦とか、ファンとしての気持ちとか、あーどの畑も同じだよなぁ、オタク同士は分かり合える―とか世界平和的な変な気分になりました。
 うん、芸能人オタもアニメオタも鉄オタも、どんなオタクも人の沼の事を笑ったり軽蔑したりせずに、同じオタクなんだと暖かい目で見て欲しい。

 好きなもの、はまるものがあると幸せな瞬間が増えるよね。
悪用禁止!裏・雑学 人生を勝ち抜くためのワルの裏ワザ308

 どの程度…と思って覗いてみましたが、あー、何というか確かにスレスレなんだけど、意図によっては使っちゃいけない技が多いわ。
借金踏み倒し系のワザとか、書き様一つだよなぁ…。
 契約の踏み倒しとか、確かに法律の中で判定してるけど、信用関係なんてないに等しい事態になりかねん。
 他、いや、それ違法だよね?と言う話も「ダメ」と言いながら書いてる所が凄いわ。
 とにかく読むだけで確かに『悪用禁止』だわぁ、と言う、真に必要な人のためだけに使用されていただきたい技のお話です。
それはそれは不味いのです
 前にちらっとお通じの悪さに付いて書いたわけですが…。
良く効くと評判の漢方薬を、医者から出されていたわけですよ。
それでも全然効いてなくて、何という頑固な…と暗たんとした空気で毎日で過ごしていたわけですが、あんまりにも効かないもんだし、また不味いもんで、次第に飲まなくなり。
 (そもそも胃が痛いのも、何の作用か痛い時は件の漢方薬を飲まないように指示されていて、腸には良いのに胃には悪いってどういう薬なんだか不思議に思っていたんですが)しばらく飲まずにいたらですね、どういう作用だか、お通じがマシに―。
…?ん~?????(-ω-;)
 相変わらず悪いは悪いが薬やめた方がまだマシってどういう事?と自分なりに調べてみた所、もしかして自分のは腸の動きが鈍いんじゃなくて過敏なタイプの方の通じの悪さで、薬って胃腸を刺激してより活発にするような効果なんじゃないの…と。
 飲んでても飲んでなくても問題にされる様な薬でもなかったんで特に医者に聞いてみた事なかったんですが、逆効果説在り。
 ぬぅぅ…じゃぁ過敏性に効くようなやつは―と調べてもストレス性とか書かれていて打つ手なし。く、薬に頼れないやつか…。(;´Д`)
 まぁ何だ、少なくとも聞かなくて不味い薬を飲む必要性は無くなっただけマシと思うしかないか…。OTL