元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
ジョイランド

 久しぶり過ぎるスティーブン・キング。
しばらく海外作家は遠ざかっていたからなぁ…。まぁ安定の一冊でしょう。
 タイトルは遊園地の名前。そこで起きる連続殺人―と。
 ただ、どうもこれ、主人公である青年の感傷的な青春の1ページと言う感じで、そもそもこの話が回想なのね。大人(初老?)の主人公が思い出してる風で、最初から主人公は生き残ると解っているし、いや、そもそもこれ、ホラーじゃないっぽいわ。
勝手にキングだからホラーだろうと思ってたら『スタンド・バイ・ミー』方面だったか。…ミスった…。
(ところで『スタンド・バイ・ミー』の説明で『非ホラー』と書かれているのが笑えた。)

 まぁたまにはいいかと読んでみたら、あー、なるほど、キングはこっちでも売れたの当然だなと言う巧みさ。
青年の失恋と、遊園地でのバイト、車椅子の少年や幽霊の逸話―。
 ひと夏を舞台にした成長物語なんですけど、痛みや切なさがにじみ出ていて、スパイスに殺人事件の犯人探しがある感じかな。
ちょっとした不思議体験程度の幽霊の存在もあったかいものだった。
 ストーリー展開は説明しても面白くは聞こえないんだけど、主人公の心の機微で読む本。
たまには、いい。