元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
死のドレスを花婿に

  『その女アレックス』『悲しみのイレーヌ』作者繋がりで。初期作品…かな?なるほど粗削り。いやでもイレーヌの方が先か。

 のっけから殺人に次ぐ殺人で、しかも主人公が訳わかってない割には、簡単に手を下しちゃうからなかなかきっつい話。(殺人犯の女性が主人公で、逃亡してるのね。)
 それでも追い詰められていく様はよく解り、にっちもさっちもいかないこの状況がどうなるのか、一気に一章を読み上げる。
 で、二章に入り視点変更。
…ああ、成程。こういう事か。
 二章は二章で一章よりももっとトチ狂っててヤバいサイコパス系の話です。
一章と繋がってますが、これ、次の章でどうやってまとめてさらなる衝撃を与えるんだろう?

 そして三章。
この頃にはもう読者は薄々と感づいているわけですが、これ、実は女性は真面に生きていた頃からずっと、二章の主人公であるストーカー男に監視、コントロールされていたと言うとんでもない話。徐々に女性の人生を狂わせ、夫を殺し、未亡人にさせておいてから紆余曲折の数年をコントロールし続け、ついに自分と結婚させたと言う…とんでもねーサイコさんのお話です。
怖っ。
 そしておそらくは女性がやったとされている殺人も、どうもこの男がやっていたようだ。
女性は薬で精神病みたいにされてるんだねー。
 紆余曲折の何年もは、正直上手く行きすぎていて現実感がないんだけど、実際にやられたらホラーすぎるので、気持ち悪さをかって読み進める。

 そしてこれが果たして、女性を一方的に愛した男の行動かと思いきや、どうもそうとは言い切れず、とある復讐的な理由が潜んでいるらしい。
おお、これは…どっちが悪いのか最後まで解らない。
 男は自分で女性の生殺与奪権を手にするために、女性を取り込んでいたいようです。
だから周囲から守るし、自殺も許さない、居心地をよくするために優しい―。
 しかしちょっとしたボロで、女性は朦朧とした精神の中で、男に疑いを持つ。
過去を調べ(これもよくそこまで解明出来る)、男の真意を知り、反撃スタート―と相成るのでした。

 ここからはもう善も悪も、どちらが騙し騙されているのか、解らないままひたすら『最後に笑うのはどっち?』と言うスリリングさだけで一気に読めます。
サスペンス~。
 ラストのラスト、女性の父親が一枚噛んでいたようなのですが、一瞬ビクッとしたわ。
登場人物全員が軒並み知能派(心理派)で、成功率のリアルさを抜けば、ミステリーらしいミステリでした。

 しかしタイトル、最後まで空目してたんですが、これ、花嫁じゃなくって花婿なのね…。
あー…だからあのシーンがあったのか。
メインシーンを何気に流していたわ。
 思い込みって怖い。