![]() | アルテミス・ファウル―妖精の身代金 (2002/08) オーエン コルファー 商品詳細を見る |
天才12歳少年と妖精たちの駆け引き…と思い手に取ったら、ああ、しまった
少年が犯罪者側だったというのっけからダークサイドストーリー。(´Д`;)あわあわ。
いいのか?正義側が主人公でなくて。
なんつーか、グロくはないしドシリアスにも見えなくて、お子様向けファンタジーノワール小説か?と言うような微妙な立ち位置。
ノワール小説って思春期の少年少女にはグッとくるかもしれませんが、児童小説にはどうなのかしら??
私的に読者対象年齢って、主人公の少し下くらいの年代だと思うんです。子供の読み物って。(お兄さんお姉さんに憧れるくらい。子供の頃の同年齢主人公だと、自分より甘い点や出来過ぎ感が目立ってぴたりとはまれる共感はなかなか得にくい。)
てことは、8〜10歳をラインに、ファンタジー好きならその上の年代もカバーしていくってのがこの作品の対象年齢なんじゃなかろうか?
(実際8歳の子の全てがこれをスラスラ読めるとは思えませんが、読書に慣れた子なら苦はないだろうな。個人差強いし。)
まあ、少なくとも小学校高学年とした時に、ノワール小説を読んだとして、どう映るんでしょうね?
自分と変わらぬ年齢の少年が犯罪者で、明らかに悪意を持って妖精から財産を奪おうと認識を持って行動する事に。
そして私は途中何度も、(浚われて身代金要求される)妖精側に感情移入して、「そこだ!(主人公を)潰せ!」と応援しちゃいましたよー。(苦笑)
ただ、甘い蜜部分はきちんとあって、主人公がまず『犯罪者一家』の『幼き主』で頼りになる『完璧な忠誠心と能力の執事』がかしづいていて、『金』と『天才的な頭脳』を持っているとか言う当り。
…こ、これは解る。
チュウニ病へ至る道標だ。(笑)
イメージ的に『魔探偵ロキ』とかああ言う感じか。ゴシック調ではないし、ハードなミステリもないけどさ。
なんか将来のマニアを作るための、水先案内人のような本さ…。(故にある意味魅力的。)
まあ別に実際のところ子供が読んで悪影響(笑)があるとは本気で思っちゃいませんが、自分が子どもだった頃を思い出してみても、そして大人になった今でも、この手の本を読んだらとてもじゃないけど主人公の悪事に共感は出来ないと思ったな。
そして主人公が犯罪者たる自覚を持っているという趣向の割に、漫画の設定のようなお坊っちゃん振りが何か一貫していないものを感じて仕方がない。
え?世界は甘いだけじゃないのよ、という事をマスタードで示しておきながら、御都合主義の現実感離れした主人公の周囲設定と言う蜂蜜を一緒にかけたホットドッグみたい。
どっちなんだ。緩和か??児童小説で本物のノワール小説やるわけにはいかないから、ノワール風味と称して仕上げたのか?
しかし、塩は砂糖を混ぜても調和せんのですよ。
勿論これを徹底的にやるとグロさと世知辛さでとても児童小説には仕上がらんのですが。
これも『悪のハリーポッター』と言う触れ込みで入ってきたらしいのですが、大人も読める児童ファンタジー小説と言う点でなら、上手く仕上げたのは『バーティミアス』の方だと思う。
同じように評すると、向こうはひたすらスパイシーな味だけで整え、切り口が綺麗だったという調和があった。味でそのまま違う物を混ぜてしまうのではなく、見た目の方をソフトにして料理としての完成度を上げたと言うか。
『アルテミス〜』は残念ながら続きはもういいや。
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