元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
SFまで10万光年以上

 続きも読んでみた。
これ、本当に亡くなる一歩手前までの原稿なのねぇ…。最終頁ら辺は物悲しくなるわ。
 この巻にはお師匠様シリーズのカラーイラストも載ってるし、そのキャラらを使っての別コラムとかもたくさんあって嬉しい限り。
なんかいい感じに馴染む絵なんだよなぁ、この人は。特別スタイリッシュとか、好みとかでなく、落ち着くし嫌らしさがない。
 もう新たな作品を見る事は叶わないけど、読んでる間は楽しい気分にさせてくれる一冊です。
SFまで10000光年

 ああ、このノスタルジックな絵柄とコラム形式。
その昔自分の人生でSFが最も魅力的に囁きかけてきた頃を思い出します。
年代的にはそれより下だろうけど、お兄さんお姉さんが読んでいるSFって感じだったんだよなぁ。
 そんなSFなコミックエッセイ。
古今東西のSFに関する話題やネタ、熱い思いなど―。

 ―って、途中で気づいたんだけど、この本、『お師匠様は魔物シリーズ』の挿絵の人じゃん!
知らないで手に取ってましたが、何と言う運命。
 この人の絵は描きこみ文字も多くて、それが挿絵でも面白かったんですが、たっぷり一冊丸ごと読めると言う。
 しかもSFだけでなく、アニメやゲームのネタもたくさん。いやぁ、いいわぁ…と、最後の解説まで来て知っアのですが、お亡くなりになっていたのですね、この方。うわぁ…ショック…。もうこの人の作品、見れないのか。好きだったのになぁ…。
 じっくり読みたい一冊です。
キミの名前

 タイトルだけ見て、君の名は、とそら見した。
箱庭旅団 [3]という事で、なんだかシリーズなのですね。
中身は短編。時々思い出したように続いている。

 『マミオ、地球を去る』
猫型宇宙人なので漫画で見たらさぞかし合いそう。
 『シュシュと空きカバンの住人』
折角親切にされたのに無視しなくても。
 『俺と兄貴が火曜日に』
時間改変ものだが、良い兄弟。これ、永遠に同じ日をめぐる心配はしないのか。
 『跨線橋の秋』
じんわり良い話。最期の時間に、こんな事出来るかなぁ。
 『クリスマスの呪い』
ダジャレ落ちだが、この名前ときたら…。
 『鬼が来る正月』
何が本当か解らなくなる怖さ。鬼から守るとはいえ、現実も守ろうよ…。
 『よいち異聞』
こんな文体も行けるのか。古文じみていて非常に読み辛かった。
 『さよなら、旅行者』
あ、色々な所で出てたトラベラーの話がついに聞ける?!こういう、カメオ出演系っていいよね。
 『シュシュ、途方に暮れちゃって』
シュシュの続きまで読めるとは。これ、わざと話を切って後から続けるとか、上手いよなぁ。
 『バルル原理』
最期のオチにも捻りはあるが、基本これは人間の身でも動物の言ってる事の方が理に適ってると思うな。いいよ、人間には秘密の原理で。
 『サトミを泣かせるな』
そしてここへきてホラー。さらっと本気ホラー。
 『夢見王子』
これもある意味怖いんだよなぁ…。夢との境界線や、堕ち方。
 『ボブ論争』
最後暗い話になるかと思いきや、おのれ親父。
 『キミの名前』
エピローグとごっちゃになりかけなんだけど、結局これが旅行者なんだろうか?
そもそもこの本プロローグが無かったけど、『3』ってそういう事?分冊なの?シリーズだったの?
『1』から読まないといけなかったかぁ…。短編連作だからいけると思った。

 しかしこの人、まるで関係なく手に取ったけど『鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様』の人なのね。
最後の最後に作者名確かめて気づいた。
 うん、この人、本気のホラーか、SFっぽい話の方が合ってる気がするな。
異次元を覗く家

 ボーダーランド三部作…との事でこれが何番目に読むべきものなのかも知らない。
けど独立した短編で、世界観が共通と言う程度の物なら問題あるまいと、何せ古典SFホラーという事なので読んでみました。
まぁあらすじは単純。
 主人公らが釣りで訪れた田舎、その廃墟に残った一冊の日記。そこにはとんでもない化け物があちらの世界からやって来ると言う恐ろしい記録が残されていて―と言う感じ。
S…F??ううん、まぁ定義はないようなもんなんだけど、古典ホラーと言う枠組みでいいかと。
 化け物へ(いつ襲われるか、どうなるのか)の恐怖感はひしひしと伝わってくるのですが、最終的に日記は当然、日記の主がどうなったかの後日談を語るわけでもなく、断筆状態。
主は一体どうなったの…?と言う後引くありがちな終わり方です。
 日記を拾った側に災難が襲い掛かる系の話じゃなかったのは意外。伝聞形式にするための設定かな?

 が、これをありがちと言うのは現代の多種多様な凝りまくった物語を当たり前の様に読んでいるせいで、目新しさがないと言うだけの話。
何せこれ、古典と言う所がミソなのです。。
 余韻を持たせたり、化け物そのものよりも逃げている時の恐怖感や、今後の不安感と言う引き立たせ方の手法は、当時の単純明快、ダイレクトなホラーばかりだった中でも、目立ったんじゃないだろうか。
 何せラブクラフトっぽいなぁ…と思っていたら、ラブクラフトよりも先に書かれているんだもん。(実際にラブクラフトが注目していた作者の様です。)

 さらっと読んだのですが、私的に可もなく不可もなくと言った所。
血液と石鹼

 SF短編集…と思って手に取ったんだけど、あれ?なんか…違う感。
概念とか、象徴とか、そう言ったもので進む『現実世界に則していない(ある意味SF)』的なお話ばかりです。
 …物理要素にSFがないと、ちっとも入り込めないな。
妄想話なわけでなんでもアリになるだけで、意識高くして何かを解釈出来なければ置き去りを食らう。そう、その解釈までも。
これ、どうもアメリカ文学と言う位置付けらしいよ。
 へぇ…なんと言うか、アメリカ文学は…正直肌には合わないんだよな、今までの経験上。

 文体はまぁまぁ、モチーフが飲み込み難易度高し、全体的にオールジャンルな話を詰め込んでいるバラエティさはあるものの、これが好みと言うものは無し。ちょっとイマイチな読書となってしまいました。