元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
わたしの運命がわかる地球星座占い

 端的に言ってあなたの星座は本当はそれじゃありませんよ、こう出して下さい、と言う占い。
まぁ、意外にも見る欄が多かった。地球星座とか、他に火星とか金星とかも弾きだして見るの。
しかしながら何と言うか目新しいだけで当たるも八卦…の世界。
正直普通の星占いの方がまだ当たってる気もする。
(そもそもの星占いがあれだとか言うのは置いといて。)
 物珍しさだけで読んだ本。
占い師が語る本当にあった20のスピリチュアル体験

 むぅ…?どういう本かなぁ。
『本当にあった』と聞くと例のシリーズを思い出して作り物にしか思えないのにあえてこのタイトルとか。
 てっきりカストリ系かと思えば逆方向イメージで固めた本でした。爽やか癒し系、おまけに…この作者、本当にアラフィフか??少女っぽくさえあるんだけど、何だこの人―。これがスピリチュアルの力とかだと乾いた笑いが漏れるレベルで凄い若々しさだなと思うんですが、中身も思った方向と違いました。
 霊能者が語る自分スゲー語りとは一風違って、人を無暗に怖がらせるわけでもなければ、説教臭い事を垂れ流して天に選ばれた自分、みたいな振る舞いもないし、ただひたすらに『霊感があります。が、私の主観です』とまで自分で言っちゃってる本。
自慢もしなければ卑下もしない、淡々と語るのねぇ…。
 なのでスピリチュアルで人生変わりましたとか言う啓蒙ものでもなく、カテゴリー的には『自伝』。それでたまたま書いた人が霊能者だったと言う感じの一冊です。

 それでもいわゆる出来事は『眉唾物』のオンパレードで、まぁ信じがたい体験談が語られるのですが、これが本当かどうかはあんまり重要じゃないのね。著者本人も言う様に、すべて主観の世界と言う前提だから。
 その意味でこの人は冷静。例え言ってる内容が普通『眉唾』と言われるものでも、現実的なバランスを持ったまま、そう言う世界にも触れている人と言う解釈で受け入れられる。
 相手から突っ込まれるより先に、自分からお断り入れておくのは凄く上手いやり方だなと思う。
こうして前置きする事で相手の警戒心を薄れさせ、話者の礼節に対しては心を開きやすくし、後の会話内容が少しでも相手にスムーズに入るようにする―うん。
この人、そもそも話術が巧みなんだろうなぁ…。(占い師として大成するのは霊感よりも知識、むしろ話術と言う説があるくらいだし。)大事なスキルだよ。
これ、話下手な人が同じ内容を書いたとしても、受け入れられ度が違うと思う。

 まずスピリチュアルに嵌ってこれが唯一、至高、私は開かれた人!となってる人は大概現実バランスを崩してるから現実基準では決して並みの扱いを受けないと思う。
ちょっと違うけど、TPOを把握出来ている感じなんだなぁ、この人は。
 それだからこの人の主観を否定する事は出来ない上で、仮にこれが『眉唾物』だったとしての話ですが、それでもエピソードの数々はかなりの発想力と創造力に寄るものだと思うので、そっちの意味で問題なく読めちゃう。
 そのなかなかにハードな体験や、不思議な体験、ふむふむと新鮮な気持ちで読めました。いや、球場の女神様とか、狐との通じない関係性とか、なかなか面白いわ。
 しかし中でも寿命があと3年と言う話は衝撃的なもので、この本、割と最近のものなのですが、どうなるのかね…。

 まぁこの本を読んで、例えば霊能者カッコいい!自分も霊能力欲しい!とか思ってる人は考え直した方が良いんじゃなかろうか。この人の話を読んでいると、どう考えてもやっかいとしか思えない能力だと思います。
自己犠牲の精神って、まず魂のランクが違う世界の話だわ。(この世は修行の地ですから?)
 そしてあの外見の穏やかさと文章の真面さの中に時折出て来るそこそこ粗野と言うか、思い切った発言とか、…なんかギャップ的に面白い人だなぁと感じました。

 ところで、これ、誰に向けて、どういうメッセージの本??出版のきっかけは何??
スピリチュアルと言いつつ、そっちへ引きずり込む系統の本じゃない事自体、もう経済的に何狙いなのかが解らないよ…発行元。
単純に本人が書きたくて書きました…らしいのでそれだと分かる気がした。
ぼくらは怪談巡礼団

 ホラー界のお馴染作家さんらが行く、怪談の地巡礼旅エッセイ。…濃いな、おい。
しかしまぁ全員が作家ではなく、編集さんとかが混じってて、その分はアルファベット名になり少しテンションダウン。
やっぱり馴染んで知っている人と、匿名性の高い登場人物の絡みは現実なんだか作中なんだか微妙な気分になるわ。実在とは解っていても。

 さて、中身ですがまぁ相変わらず。
よく行くなぁ、感性高いですね、そして読んでる私も大概。
 作品と違って人となりが出て来る類の文章は、好き嫌い当たり外れがどうしてもある。
また単なるエッセイと違ってものがオカルトだしね。
 基本現実主義なんだけど、こう言う話が大好きで、信じないぞと言いつつ影に怯え、怖いから否定してバカにして、それでも手に取る―。複雑鍋。
私にとってオカルトってそういう物。
 立ち位置が難しくて、あえて直接的な接触は一切取ろうとしませんが、遠くから眺める事はガンガンしちゃう。
怪談?積極的に読むね!肝試し?行くわけないだろ、二度と誘うな!オカルトグッズ?信じないけどお守りは影響される。お化け屋敷?…いや、微妙な所。
 だから作り物ですと解っていれば無邪気に喜んでいられるのですが、本物です!と披露されるともやっとしちゃう。

 いや、体験談ですから否定するもんじゃありませんよ、こう言うのは。嘘とか真実は個々の意識がどう経験し、認識したかのインプット次第、フィルター次第ですから、百人に百通りの事実があるんです。
 故に他者が同じ認知をする事もまた不可能な領域なので、そこの辺りに『共通認識』出来ない苛立ちがある。そんなものを語る方と、頭から否定する方と、どちらが悪いとかで無くてね、世界観を…読んでいる間、共有したいじゃない?

 ただ読んでて思うのは、さすがホラーの申し子らと言うか、日常のすべてを怪異に出来る変換能力が皆さん異常に高い。その感受性の高さ故、ホラー作家で居られるのだろうと素直に拍手。
不思議な出来事は起こりますが、物語の様に因果まで含む事が出来ないのもリアル故です。
 でもそこはさすが作家さんの一団。同じ事件を視点を切り替えて語ってくれるので、そう言う部分は面白かった。あの時こんな風に見えたけど、当の本人はこんなつもりで…など、視点変更文章って、フィクションの中でやるよりも意外とリアルでやるのが思い付きもしない裏があって面白いなと感じました。
素知らぬ顔して面白い発想とか、恐ろしい発想とか…面白くて怖いのは人間の中身もその様です。
「日本の神さま」おもしろ小事典

 え、詳しい。
多項目の割に、専門書で見るような話まで超凝縮でさらっと書いている。…や、やるなぁ…。
 面白と言うより、普通に『超特急で見る、現在民俗学、神仏のあれこれ』と言う感じのまともなガイドブックですよ。
文章も柔らかく読み易いし。
 恐らく書こうと思えばそれぞれの項目で何冊も本を書けそうな知識量なので、それだけ膨大な知識を、まとめて簡単に説明と言う、とても贅沢な本だと思います。
 良本。
山の神と日本人

 ゆっくりと山に浸る時間。
 私はそもそも海よりも山と言う人間なので、環境的にも、精神的にも山に惹かれます。
神様も同じく。海の神様より山の神様により畏怖や敬虔な気持ちを持ちがち。(畏怖と言う意味では海は怖いんだけどさ。)

 山の神、と簡単に言いますが、それは女だったり男だったり、はたまた異形だったり、色んなものが山の神として銘打たれています。
日本で、果たして山の神と言う存在は一体どのようなものであるのか?
 改めて耳を傾けてみたい。

 山の神は春に山から下りてきて田の神になり、収穫を終えると再び山へ帰ると言われていますが、そもそも農民たちの山の神と、山人の山の神ではやはり性質も異なる様子。
 色んなシチュエーションの山の神が説明されているのですが、本当に民俗学宜しく、どうやって聞き集めたのかともう程のマイナー情報だらけ。
 ただ情報が多すぎて、それを系統立てて整理出来ているかまではちょっと微妙。何せ把握しにくい。
最初の一歩として山の神が女なのか男なのかも謎だし、結局は地方の祭り方の数だけ山の神が居るわけで…。
 その意味で、各章で個々としては読めても全体としてはあまりに広大なフィールドのため、秩序だった『山の神大全』にはなっておらず。
あくまでも日本人(地方それぞれ)の山の神の接し方を羅列したものと言う印象。
 ふむ…答えの出ないものの解説ってちょっと座りが悪いもんだな。
しかしそこら辺は著者も理解の上、むしろまとめようとしたらあまりにもたくさんの山の神の形が在って、従来の簡単なイメージでは済まなくなったとあります。
いっそ遠野物語的拾遺譚とした方が馴染深いかも。
それだけおよそいろんな山の神の逸話が読めます。

 山の神は謎のまま。多面性を知る、そんな一冊でした。