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元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
お墓からの招待状 怪異・珍奇・面白墓めぐり

 なんだこのタイトルは…と思っていたらサブタイトルで納得。有名人の墓巡りっていうジャンルはあるもんなぁ。
ちょっと興味が出て手に取った。
 そしたら結構驚いたのが、時代劇の有名どころ達、結構実在の人物なんだ?!

 当時すでに実在の人物を元にフィクション化されていたものを小説にし、そこから更にTV化とか…。ちょっとオリジナルと思ってTVの脚本の底力を喜んでいたのに失望した…。(果ては小説までな。)
完全オリジナルの作品ないのか。
(なお世の中の物語はすべて30パターンぐらいに分類されるという説がある。)

 横道に逸れたがっかり感だったけど、逆に本物の史実の人たちの面白さも知る。
そりゃもうめちゃくちゃ脚色されている人はとことんで、本人も困惑してるだろうという解説が面白い。
本当とされているエピソードはそれはそれで面白いしね。

 近かったら行ってもいいな、とか思いましたが、特にはなく。
…高野山奥の院なんかかなりの数網羅出来そうな墓具合だけどね。
 長く時を経ればお墓の怖さが薄れるのは何なんでしょうね。あ、でも由来の知れない墓はやっぱり怖いか。観光化されてこそ、だな。
アイルランドからアメリカへ 700万アイルランド人移民の物語 

 キーワード『飢餓』にて。
所謂ジャガイモ飢饉ですね。これ、ワードは知ってるけど中身を知らない。世界規模で知られてるんだから相当なもんだろうと思っていたら、成程、移民が絡むのか。
民族大移動だよなぁ…。
  アイルランドと言えば、イングランドとの問題がよく聞かれるが、その原因的なものがこれを読んでようやく解った気がする。
あー…こういう歴史があったのか、と。
 土地的な支配や、カトリックVSプロテスタントの宗教的な一面、それによる差別や偏見―。
そこで備蓄がろくに出来ない所に発生した飢饉ですよ。
そりゃあ生きる術が無くなって、死ぬか逃げるか、になる。
その先がアメリカと言うまだ可能性未知数の土地だったのですね。

 しかし自由の国アメリカも、財産無く移ってきた移民たちを蔑ろにします。
そんな中でこの大量移民の例外的な所は、大体男ばかりが多く移民する中、男女半々、むしろ女性の方が喜んでアメリカに渡った事です。
それは誰かの妻とか子、母とかとしてではなく、未婚の娘が一人で―と言う事も多かった。
 何故かと言うとアメリカじゃむしろ若い娘の方が仕事が見つけやすかったんですね。メイドとかの仕事があった。

 それにしても違う国へ命懸けで行って、何もない所から一からやり直す―胸が詰まる様な話ですが、これだけの数の移民、国が傾くってこういう事なんだなぁ、と。
 現在でもアイルランドの人口比はこの時の飢饉の影響でガバッと少ない世代があって、異様さを垣間見る事が出来ます。
 うーん、歴史ってその事件だけを覚えろと言われても面白くなかったけど、ひとつひとつの事件やその流れを追うと、興味深い事がたくさんあるのねぇ。
北朝鮮飢餓の真実 なぜこの世に地獄が現れたのか?

 10年以上は前の本なのですが、アメリカの高官が書いた北朝鮮の政治のあれこれ。
この頃に北朝鮮が問題にされていたのは、軍事問題ではなく、内政関係だったのですね。
 とは言え今から見ると兆候が表れまくりの一冊で、色々とその詳しさに驚きました。
かてて加えて著者の筋立てや訳者の言い回しも上手いのか、とても分かり易い本です。

 余り記憶にないのですが、その昔北朝鮮は共産主義で崩壊して行く他国を余所に、意地でもその路線を貫いて、とうとう大飢餓を引き起こしたのですね。
で、それを自然災害のためとして各国に援助を求めた。
 しかしこれについて著者は、この件は災害など関係なく、政治の失敗で引き起こされた『(慢性的な)食料不足』であると見抜く。
そしてそもそも歴史的に国の体制による慢性的食料不足に陥って、崩壊しなかった国はないそうです。
(クーデーターで終焉。)
 ところが北朝鮮は例外的に国として生き延びている。
これがまず何故かと言うと、北朝鮮はまず災害と言う理由をひたすら推し出し、果てはそもそも経済的に立ちいかないのもアメリカの経済政策と、日本帝国の統治時代のせいだとするわけです。

 そしてここら辺が捻じれているんですが、政治的イデオロギーを人道的支援にまで持ち込んだ結果、一方では『災害で大変だから』と支援を乞い、一方で『我が国の政策は常に正しい、こんなに国も豊かです。システムを変える理由なんてありませんよ』と見栄を張る―。これを同時にし続けた。
 そもそも他国に支援を募る事自体、既に自らの政治が上手くいかなかった事の証明なんですが、北朝鮮は決して政治のせいにはさせません。あくまでもアメリカが、日本が、と別の理由を打ち立ててくるわけです。
 また、アメリカはアメリカで『言う事聞くなら支援する』と囲み込み、北朝鮮は面子があるので『支援が先だ』とうそぶき、日本もまた、統治と言う屈辱を与えたが故に『もう自分たちは統治されてない、自らで独立している!』と言う見栄に拍車を掛けさせた―。
 あー…まぁこの流れはなる程なぁ、と思った。
今の日本がどれだけ『支援をしてやった』と言っても、侵略されてた頃からの解釈だと、『昔の穴埋め、やって当然!』となるんだなぁ。
こうなるとあの気質を作ったのに、確かに日本も一枚かんでる所、あるわな。
(かと言って大正義を与えるのもおかしいが。)
 何にせよ、北朝鮮側は、とにかく自分たちの信じる共産主義(それに道教が混じっている)を批判されるのが大嫌い。
自分たちの政策は素晴らしいから、と自国民の情報統制をまず図る。これは諸外国からの支援など貰っていませんよ、とするため。

 そしてこれのせいで、農業の開発も立ち遅れる。
海外の素晴らしいシステムを、自国で真似した時、そもそも中途半端に真似したものだからまず上手くいかなかった。
で、それを『海外のやり方なんて悪い。やはり自国のやり方だ』と効率の悪い方法に戻っちゃったんだそうな。
(なお、上手くやるにはそもそも作物の品種改良が必要だったが、北朝鮮はそこには手を出さなかった。)
おかげで食料はなおも不足の一途を辿る―。
 こうして見栄の都市部、作物がないない尽くしの農村部と分かれ、秘密主義、外交拒否の今の北朝鮮が出来上がっていったんだね…。
 『食料が足りない→こんな事では他の国から馬鹿にされる→でも支援はもらいたい→うち以外の他が悪い事にする』。これをこのアメリカ人の著者はよく理解してるわ。
同じアジア人の私たちでさえ、もうこういうとんでも発想がついていけないのに。

 まぁしかし、果たして自分の国がそう言う考え、そう言う政治をしたら一国民としてどうだろう。
飢えでやせ衰えてバタバタと人が死んでいく。
食料を盗もうとしたのが子供であろうが、大人は捕まえて殴り倒す。
雑草をあさるのが当たり前で、なんと周囲には動物、鳥すらいないのだとか…。
 今までは一律国の中身は皆同じと言う色分けで見ていたけど、確実にその政治に苦しめられている一国民もいるのだなぁと思うと、支援を止めろと言うにも難しい話だな。(下まで届かないままじゃ意味がないけどね。配給がちゃんとなされているかどうか監視役を付けたら付けたで、自国のシステムを馬鹿にされたと反論してくる北朝鮮。もう支援受けてる自体で認めろよと言う話だが…。実際に上で私腹を肥やす輩もたくさん居るし、この期に及んで好きにやろうって腹が解らんわ。)
 そして昨今の軍事関係についても。
何も悪くない人が苦しむと言う姿は、国を越えていても嫌だわ。

 この本を読んで、国と言うものをミクロマクロで見た時、改めて十把一絡げの怖さと言うか、色眼鏡、意識していない『相手は人間』と言う部分を忘れがちになっていないか、命題を突きつけられた気がします。
いや、しかしだからと言ってこれが簡単に乗り越えられる話なら、政治なんてもっと簡単になってるよね。
大変な世界だと思いました。
 同時に歴史を学ぶ意味も。今を知るに大事な礎と言う事を、この本は語り掛けてきます。
魔女狩りという狂気

 たまたまネットで魔女狩りの話を見て、一つの事件に興味を持ち、もう少し詳しく知りたくなって。
当該事件については全くなぞるだけで詳しくは書いてなかった本なのだけど、全体の流れはよく解ったかな。
 むしろその狂気の源を、ジェンダーを軸にして考えて、性差別を切り口に解いていく感じ。
成程、異端の内でも魔女と言えば女性が大半だったし、面白いな。
 民族性の違いなんかもあり、国によっての女性の扱い方で、一気に評価を変えた国もあったよ。
…あの国は…えー…。(ドン引き)

 今もって続く女性への軽視、差別、性搾取を歴史になぞらえた時、魔女狩りは宗教観も加わってとんでもないうねりとなったと言う流れがよく解ります。
 こうなってくると宗教が悪いんだか、何でもかんでも都合のいいように変えたり利用したりする人間が悪いんだか。
元々はすべて女性差別の下敷きがあっての事なんだけどね…。

 とにかく自分が生まれてくる時代や場所、性別など、当時そこに生まれてなかった事に感謝するしかない酷い内容です。弱者をスケープゴートにする図式が淡々と並べられます。
 同じ事の繰り返しになる部分は多いのですが、資料も多いですし、残酷な話が聞きたいとかではなく、歴史として読みたい方にお薦め。
敗者烈伝

 敗者から歴史を学ぼうと言う本。
割とたくさんの敗者が並ぶのですが…ただ勝ち負けって、どの部分で時を切り取るかで印象変わらない?
 死ぬ時の事を基本的に言うのですが、殺されたら負けだし、病死でもその時の状況、はたまた何を成しえたかで言っても相当歴史に残る事しないと、凡人とか、小物とか、結構言われまくりです。
…うん。なんか、空しい…。
 逆に勝者って何だろう??
 価値観もありますが、そもそも歴史に学んで勝つってのは、決して全く同じ状況はないのだから、相当応用が利いて行動出来、そこに運の良さも必要な芸当だと思います。
 そして信長とか、光秀とか、有名どころはネームバリューで読めたんですが、あまり知らない人の話は乗り切れなかったな。
あと、詳細は著者が書いたこういう本まで―みたいに結ばれている話がいくつかあって、ちょっと醒めちゃう。参考資料と言うか、何故か宣伝に思えた。
(それでいで膨大な資料のため、参考文献は載せませんと言う巻末。なかなかはっきりとした考え方のようで…。)

 まぁ、流し読みでさらっと。
勉強の為でなく、お話としてだけ読みました。