元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
書籍探しの旅
 一キーワード追いの読書も板についてきたもんでして、興味のあるテーマを色々な角度から書いた本を複数読みが最高に知的好奇心をくすぐられます。
 新刊だの世の中の人気本だの、余りそう言うので調べようとは思わないので本もゆったりいつでも読めると言うのも良い点。まぁ廃版や希少本は手に入りにくいけどね。逆にその分ある内に読んじゃおうと言う気にもなるし。

 さて、最近は『学術探検』と言うキーワードで本を探しておりました。
そうすると出てくるのがもれなく『南極』か『ダーウィン(ビーグル号)』関係本。
ぉぉぉぉぉ…。
 これって、世界の秘境はもうほとんど南極しかないと言うか、歴史的にダーウィンが大きい事をやっちゃったので今現在の最新探検は数限られているって事よね。
(他ちらほら海底本。ジャングルとか地底はないのかしら?)
 ロマンがすっかり狭くなっている気分です。

 あとニッチな世界のニッチな専門家に意気揚々とロマンを語っていただく本が少ないのが残念。
最近じゃ生物関係でカラスの人とかバッタの人とか鳥の人の本が面白かったんで、そこら辺も関連で読んでいきたいのだけど。
フィールドワークって面白いよね。
奇跡!大惨事(パニック)からのサバイバル 天国と地獄は紙一重!?

 世紀の大事故からの生き残り案件を集めた本。
まぁ、サバイバル術を教える…とまではいかず、『こうしたら助かる!』と言うよりは『こうしたから助かった』本です。
 この煽りタイトルですし、カストリ系かと思ってたら意外とマトモ寄りなので読めたと言えば読めた。
 ただ読後にほとんど記憶に残らなかったのが、暇つぶし本かなぁ。

 しかしこういう案件を見ていると、人間万事何事も不慮や不幸が怖いと思うわ。
こんな事態気を付けてなんて日常生活送れないよ…。
大人の少女マンガ手帖 オカルト・怪奇ロマン 

 レトロな昔の少女漫画の読本。
あー、溢れるその時代感。
 さすがにラインナップのほとんどわからんが、漫画家さんの大御所感は理解出来る。字面は反応出来るものね。

 こう言うの見ていると、絵柄と時代感、ホラーの扱われ方が独特のテイストだから、読んでみたくなるね。
昔のホラーはシンプルにして様式美があった…気がする。
まぁこれを少女漫画でやるからまた独特なんだよね。
 それにしても少女漫画でやると、恋愛もので健気な美少女主人公が虐げられるのと同じで、怨霊や怪奇現象にこれでもかと言わんばかりに脅される健気な―(以下略)。
あー…、踏襲したパターンはもしかして同じなんじゃあるまいか。苦境に立つヒロイン像。
 ただホラーだとこれが助かるんだか助からないんだか…?紹介ものだったので、ラストとか全く分からずもやっとしました。
今でも読めるやつなの?!ねぇ、これ!!(廃番ものとかだったらなんともやるせない紹介だよ…。)
ヒーローが出てきて助けられるようなものでもないと思うしなぁ、怪奇現象系は。

 逆に新しいな、と思ったのは少女の方が脅す側、つまり魔女系、悪魔っ子系美少女主人公の存在。
中でも明確にダークヒロイン的に描いているのは当時開拓者は誰?って感じでその系統が気になるね。

 ちょっとおもしろかったのは、当時の少女漫画はとにかくタブーが無くて、いくらでも怖い表現ありきだったらしく、『苦情が来ても編集部が守るから』と言うスタンスだったようです。意外に気合入った感じだったのね。
 ただ当時はこの程度の表現で苦情が来たのか…いや、正直、漫画で『怖い!トラウマに!』ってなる…のかなぁ??子供だったら、なる??
TVの心霊番組とか実写なら解らんでもないけど、漫画はなぁ…。
時代が純潔だったのもあるのかな。
(今は目新しさを求めるために相当な表現で挑んでくるもんね、どんなジャンルでも。
さすがに苦情の一つも入るだろうけど…。)

 いやぁ、しかし出来るならここに載っている作品、アンソロジーみたいにして全部載せてくれた方が味わい深かった。
 この本、全ページカラーで、生原稿の画像とかまで載ってるんですが、それだけに実に興味引かれて読んでみたくなるのが玉に瑕ですよ。
古すぎて手に入らないだろうに…。
 面白いが故にフラストレーションの溜まる一冊でした。お薦めなのに薦め辛い。
『罪と罰』を読まない

 このタイトル…。
 4人の作家が、「実は超有名どころの『罪と罰』を読んでないんだけど、作家としてまずいよね?でもせっかく読んでないんだし、読んでない時にしか出来ない遊びをしようじゃないか、そう、読まずに推理しちゃおうぜ!」なノリで、解答を見ずに(本を読まずに)色々な面から攻めて正解を導き出そうとする本です。
 4人全員分かればいいんだけど、三浦しをんしか分からない…。(と言うかもう彼女がいる時点で、このノリが解るけどな。そして偶然にも残りの内二人は『じつは、わたくしこういうものです』の人だった。) )

 対談形式なのですが、凄く解る展開で。
「ロシアでしょ?」「なんかおばあさんを殺す話」とかくらいの知識から始まるわけですが、皆それでも基本的に頭がいいなぁ、さすが作家!と思うのは、ヒントの冒頭の1~3ページだけで物凄い推理をかますところ。
 「舞台はサンクトペテルブルグ」「作者の生きていた時代は江戸時代位だから…多分話もそれくらい。いや、古い話も書けるだろうけど、見知った時代を書くはずだよ」「島耕作を読んでの知識だけど、サンクトペテルブルグは帝都だったみたいだよ」「でも主人公は随分うらぶれた所に住んでる」「主人公は学生ニート、家賃払えないらしい」「学生だってんだから、地方から出してもらえたんだな、そこそこの家柄のはず」などと、推測含めてホームズばりの人物像を導き出していきます。(その知識元が島耕作とか…。雑学の鬼だな。)
 ―まぁ、推理と言うよりは作家だからこそ想像力膨らんでここまでさらっと話が出来上がっていくんだろうな。
 笑えるのは同じくヒントのラスト1ページを見て「そうか捕まるのか」「少なくとも牢屋で後7年と言っているから、捕まった所で終る話じゃないはず」「殺人で7年は短いよね」「じゃあ、捕まって数年は牢屋編?」「この本、上下巻もあるけど、おばあさん殺して捕まるまでなら…捕まえる側の話もあるはずだよね?刑事とか」と、ミステリー寄りになっていくあたり。
私も正解は知りませんが、この流れ、面白すぎる…。

 最終的には答え合わせと言うか、各人本当に読んできて、読んだ後の本物の『罪と罰』についての座談会もやるわけですが、もうこの企画を最初同人でやろうとしていたらしく、よくぞ一般詩でやってくれたと言わざる得ない面白い本。
あまりに下らなさすぎて趣味で出そうとしていたらしいが、その下らなさが良いんだよね。読めてよかったわ。
 この本で私も正しい『罪と罰』のあらすじを知ったのですが、何と言うかどいつもこいつもな話で、名著ってやっぱりよくわからんわぁ。
えらいのはこの4人が、「こいつどうしようもねぇ!」と言いつつ、それが好きとか言えるところ。ううむ、どうしようもなさを愛せる器が欲しい。
 しかしこの本の良い所は、単にお話を知れただけでなく、推理時の知識として、作者の事も分析されているので、そちらも垣間見れた事です。いやー、意味もなく(勝手に想像された)ドフトに詳しくなっちゃう。
 ―まぁ、登場人物の名前を覚えられないのでロシアものは読む事ないんですけどね。
グリムの森へ

 グリムの名作を、女流作家たちが書く―との事で、私はてっきりグリム童話を題材や下敷きに、全然違うフィクションを書き下ろすのかと思ってました。
そしたら、本気で童話のまんまを、改めて書いただけ。翻訳と言うか、ちょっとした文体の捻くりと言うか…これ、彼女たちにわざわざ書かせた意味があるんだろうか?ネームバリューが勿体ないんだけども。
 正直、特に個性的な書き方もしてないし、何よりもその作家さんと解る内容でもない。
どういうコンセプトの本なんだろう??