![]() | 花の鎖 (2011/03/08) 湊 かなえ 商品詳細を見る |
やはり湊かなえと言うべきか。
手口はわかっているのに、数ページで引き込まれる。
イニシャル、誰が誰の事を語っているかわからない、場面転換多々で複数視点―。
定番です。
毎年母に贈られてくる大きな花束。謎の贈り主K…。
恐らくはこの娘が主人公なのでしょうか、複数視点なので確信が持てず。
これきっと母の代の話も混じってて、カオス構成してるに違いないよ。(と思いきや更に複雑な三代記でした。そこまでする…。)
詳しい話はまあいつも通りと言う感じなのですが、ラストが納得行かん。
こんなの…こんなの、救われないよぉおぉ。
個人的に神の無慈悲を感じるお話です。周囲の人間がいろいろ勝手すぎる…。
![]() | 長い廊下がある家 (2010/11/19) 有栖川有栖 商品詳細を見る |
久しぶりに有栖川有栖のちゃんとした(?)ミステリー読んだ。(ミステリー作家だと思うんだけど、私が読むのってすごい短編とか、ミステリーじゃないのとかが多くて。)
始まりから引き込まれるまでに時間はかからず。
タイトルにもある、『長い廊下』がある空間と言うのがビジュアルとして立っていていいねぇ〜。
これも何かを比喩、表現した言い方かと思いきや、本当にそういう物件の話で―。
まあ実際は地下通路、が近い感じですが、そこでおきる殺人事件なわけです。
ネタを思い付いたとしてもなかなか思い切り長い廊下、何て言う舞台を使うのは難しいだろうに、よくそういう家として出した。(苦笑)
しかしこれ一冊でこの作品かと思いきや、まさかの中編詰め合わせ。
謎解きが急で、いきなり解けて行く。
ああ、長編じゃなかったからか、と最後まで読んで気付いた私。(苦笑)
おまけにこれは…って種明かしでちょっと首を捻っちゃったなぁ。
他3本。
うーん、ビッグネームの分、期待値大き過ぎたかも。
![]() | かがみのもり (BOOK WITH YOU) (2011/03/19) 大崎梢 商品詳細を見る |
中学生数人の鎮守の森冒険譚かと思いきや、おっと主人公はその担任の先生であった…。
しかも鎮守の森ものだけど、これ、最初に少年もの、あるいは表紙のヤング小説っぽさを知らなかったら、確実にホラーに行きつく不穏な描写が多かった。
誰の知らない山奥のお宮。
中には宗教色濃い装飾、券族の狼。
山に入るだけで本気で怒ってくる地元民たち。
探ろうとする彼らを捉えようとする謎の男たち…。
いや、もう地元民の本気怒りの「とり殺されるぞ!」ってテンションが実話系怪談話の入口と同じ空気で怖いよ。
一瞬オカルト物かと疑った。
それにつけても先生、入っちゃダメ、触れちゃダメと言う領域に生徒と一緒になって行っちゃうの、どーよ?
(主人公、実家は神社と言う設定もアレだ。ますますオカルト下地のある者が、肝試し行っちゃいました系の怪談に近づく。)
しかしその後サイコホラーにも転がりそうな気配をちょっと見せ、中盤過ぎたあたりからようやく泥臭いと言うか、オカルトではない事件の匂いがぷんぷん。
俄然ミステリー小説っぽくなってまいりました。
…あれ?少年冒険小説じゃ…ない。
あくまで主人公は先生なので、大人の行動なわけです。
ミステリーっぽいと言っても、主人公はひたすら状況に流されて、その過程で謎の答えが小分けに明かされていく感じだから、推理小説ともまた違う。
んー、これはこの年代辺り推奨の読みものなのか?
(まあ、これを普通のミステリー系新書とかでやられたら若干の子供騙し臭が鼻につくんだろうけど。)
まあ話自体は「結局、どうなってるの?!」と、引っ張っていく力がありました。
中盤以降が加速度付くね。
しかしこれだけはちょっといただけなかったのは、最後駆け足過ぎる。
構成的にこのバランスでいいの??むしろ前半のスピードでもう少しページ数増やせばいいじゃない、後半忙しないよ!
そこがちょっと残念。
山場の位置がちょっとだけ読むテンポを崩されかねない配置でした。
でも今後の作品が気になる人だなぁ…。設定とか、文章がしっかりしてるのがいい感触。
![]() | 退出ゲーム (2008/10/30) 初野 晴 商品詳細を見る |
初野晴〜!!
この人の独特の世界観で好きなんだ。
今回はその初野ワールドの中でも随分軽めの設定に感じた。
大体異能とまで言うレベルのキャラがいるんだけど、普通の学園ものか、とりあえず秀才、学園探偵レベルの子がいるくらいで、話も短編連作だからこじんまりと話が終わる。
ああ、こういうのも楽でいいな。(初野ワールドとしては軽すぎるけど。)
しかしいくら学園物と言っても並みじゃない狭く深いマニア臭がする部分がちらほら。
現実味だらけのはずの学園物の中、初野節が隠しきれてない感じ。
そこら辺のバランスを、良いと取るか悪いと取るか悩む所。
これが初読みだったらかなり評価に悩んだだろうな。
ちなみにタイトルにもなってる最後の一編、『退出ゲーム』は、心理ゲームを絡めた設定の妙がどことなくアニメちっくな仕上がりで、これだけ見たら初野作品とわからない感じだった。
いくつかの話を経て、ようやくキャラ達がこなれてきた感じで、軽妙な会話のやり取りとか非常に楽しい。
ここら辺まで突き抜けてくれるとそういうノリで純粋に読めたわ。
今までとちょっと照準が違ったけど、面白かったです。
こういう方向性も、いけるのね。




