元モンスター描き。 諸々の感想と近況ブログです。   since2005.05.15
外来種は本当に悪者か? 新しい野生THE NEW WILD

 心のどこかで思っていたが、はっきり言えないモヤモヤをこの本は言っちゃってくれてます。
第一前提として、自然って何さ?って所。
外来種が入ってきて在来種が淘汰されたら、弱肉強食、それが自然じゃないの?って事です。
 うん、歴史上本来は『人間が手を出さないのが自然』なはずで、ところが人間はもうずーっと自然に手を加えまくりなので、もはやこの地球上に本当の意味での原始の自然は残っていないとも言えます。
かつ人間も動物の一部だとか。
 そして在来種を守る気持ちも、人間の感傷的なものであるとの指摘。
まぁだからと言って無暗とほったらかしにしろと言うのではありません。
ひたすらに外来種が悪と決めつける事に疑問を呈している感じ。
 確かに人間の輸送や移動に伴い付いてきてしまった種や思惑によって持ち込まれた種、それの短期的な原因は人間ですから、戻そうと言う義務はあるかも知れません。
しかしそれで良い効果もあると言う事も忘れてはならないと言う事。
 面白かったのは、とあるはげ山の島を、人間が作為的に『色んな環境の色んな植物』を選んで植林したら、これがまぁ独自に生態系を作り出して上手く回っちゃっていると言う事例。
原産地の違う見知らぬ植物たちが隣り合わせる自然でない島でありながら、完全に植物たちだけでサイクルを完成させている。
こういうのは興味深いですね。
 結局『こうあるべき』と言う完成された姿が自然にはないんです。あるのはただパワーバランスが釣り合った状態のみ。
適応していく途中で、弱肉強食が起こり淘汰されていく―。
 人間が自然と関わっていくと言う事を考えさせられる話です。
錆と人間 ビール缶から戦艦まで

 錆の歴史ですよ、錆と戦う人間の技術の歴史。えー、面白そう。変わった本もあるものだ。またサブタイトルがグッとくるよね。
 確かに金属加工を始めてからこの方、人類は錆と戦ってきた。小さいも大きいも身近なものから見えない所、どこにでも金属は存在します。
 最初は船の話から。
とある巨大船が腐食して、湾から動かすのも一苦労。解体するなら一切湾を汚染するなとか言われる話とか、はたまた申し送り無しに管理されてきた自由の女神がいつの間にかじわじわと浸食されていた話とか―。ワクワクするねぇ。
 他にも缶詰、車、パイプラインと。

 しかし基本、対処する人間の話を期待するんだけど、まぁ錆に負ける負ける。
さすが金属の癌。どんな障害もものともせず突き進む恐るべき存在です。
 また腐食にも条件があり、二種類以上の金属を触れ合わせないとか、水分大敵とか、電気の流れとか…科学的に八方塞りで、人類は未だリアルタイムで錆とは戦っているんだから、なかなか勝利の話は聞けません。
 だって例えば自由の女神なんて、内部に入る観光客の呼気の水分量だけで膨大なんだそうですよ。
それらが骨組みからじわじわと…恐ろしい。
 そして意外な事に水がダメなくせに、実際はそれ以上に酸素の方がダメと言う所。
酸素って、緩慢に物を燃やすと言うイメージだそうです。ははぁ成程なぁ。

 何かを作り出した後、『維持』する事にこんなにも問題があるだなんて、普通の消費者は思いも寄らない。
それこそ缶詰なんか、破裂、穴開き、腐食があればクレーム言いたい放題、でもあれの開発にどれだけの問題や知恵や技術が詰まっているかと知れば…―思わず『でも缶詰と言う技術が無かったらこんな便利な生活してないんだよな、有難う』と言いたくなります。
 パイプラインなんかも、トラブルなくて当然、所がそれを維持するのにどれだけの資金がかかるのか。
人間、作る事には金がかかっても当たり前と思うが、一度作ったもののメンテナンスに金がかかるのはなかなか理解が出来ないものです。そして予算をケチっておいて、トラブると『何作ってんだ!』とね。老朽しないものは無いという事です。

 この本を読めば、私たちの生活が如何な技術によって成り立っているのかと、その歴史や戦いっぷりに圧倒される事請け合いです。
塗装ひとつも、防食技術と聞くと感慨深かった。
 全ページ興味深く読めた一冊。
孤独なバッタが群れるとき サバクトビバッタの相変異と大発生 フィールドの生物学 9

 哲学的なタイトルと随分専門的な話だなぁとタイトルで。
そしたらとんでもない面白本だった。(いや、ちゃんとした学術的な話ですけど。)
とにかく、この研究者本人がものすごく面白い。
 幼い頃、緑の服を着ていたためバッタの大群に群がられ服を食べられたと言う話を聞いて、自分も是非バッタに食べられたいと思ったと言う―。ぇ?
 それどころか、バッタの大量発生に恐れをなす所を、感想が『なんて羨ましい』だし、とにかくバッタ好き。
 よく海外でイナゴの大群が空を覆い尽くして農作物を食べ荒らして後に残るは荒れ野原…というやつ、あるじゃないですか。あれを蝗害と言うんだけど、あれを恐れずして、何なんだろうね、この人は。(そういうホラーがあったよな。)
 しかしあれ、実はバッタらしいよ。
そもそも蝗の漢字を間違ってあてがわれたせいらしいけど、日本じゃイナゴはああいう事にはならないらしい。風評被害だったのか…。
 それを証拠に英語じゃ群れる系のバッタをlocustと言うんだけど、これがまた語源的に『焼け野原』の意味だそうで。
 ところでこの大群、移動して行く途中で500kmも列が続く事があるんだって…。怖すぎる。この単位が間違いでないと言われたら、そりゃ天も曇る程の影だよね。飛行機も飛べなくなるらしい。
とりあえずここら辺を読んだだけでも、イナゴからバッタのイメージが真逆に。

 それにしてもこの研究、小さい頃からの虫好きの延長と言うのだから凄い。
この本を読んでいくと、バッタの驚くべき生態がよく解ります。
 まずバッタとイナゴの違い。種類じゃないかと思いきや、そもそも似たような虫の中、色が変わる変異をするかしないかでバッタとイナゴは違うんだって。(だから世間的にバッタと言われるものの中に厳密に言うとイナゴが混じってる。逆もある。)
因みにイナゴが色が変わらない。
 この色が変わると言うのも初めて聞いたんだけど、たまに居る黒いバッタとかね。
あれ、結構最近まで違う種類のバッタと思われていたらしい。
 所が、ある日色の違うバッタも同じ種類のバッタで、条件の元色が変わるだけだと突き止めた学者が居た。
それを研究していく中で、孤独相と群生相と言う成長中の環境の違いで色が変わると言う事も解り、また面白い事に、群生相になったバッタが群れてあの大群になるらしい…。(移動相と書いているサイトとかもあったんだけど、孤独に対応するなら群生だよなぁ。しっくりくるわ。)
 あ、タイトルの孤独ってこれかぁ!と思わず膝を打つ。上手い、上手いなぁ、このタイトル。
 因みに孤独相と言うのは単独で群れずに成長した場合。大人しめ。群生相は他のバッタと一緒くたに育つと、色も黒くなり、活動的になり蝗害を引き起こす。
はぁ~、凄い発見だ。

 それだけでも面白いのですが、その後卵の秘密や様々な仕組みを好奇心で掘り起こし、論文バトルやフィールドワークも燃えるし、変わったミドルネームをもらった話もてんこ盛り。
かなり長文になるのでここで書き切れないほど。
 興味が無くとも読んでみると面白い、そんな一冊です。
つまみ食い本16
  2冊共々電車のお供で流し読み。時々こんな事やってるけど、本当いつまで経っても成長しないな、私。


 英語の話で苦いものを感じたので、ちょっと英語力を試してみたくなり、英語の児童書を。
―あちらの小学生低学年とか向けかなぁ?いや、幼稚園か。
ただふわっと見た感じは、日本だと中学1年生レベルの英文だ。
 短くてオチがないと言うか、不思議と言うか、とにかく楽しく終わる話が複数。
児童向けの為か、リズム感重視と言った短文なので、仮に分からないとしても勢いで読めます。
 恐る恐る一話目を読んでみたけど、分からない単語はひとつふたつで、なんとなくそれでも通じるし、さくさくっと読めたのでまぁほっと一息。グラマーは知らんがリーダーならいけるみたい。
 まぁ実際は英会話出来るかの方が重要なんだろうけど、本の虫としては文章読める方が役には立つんだよね。
(おかげさまで自分で書く方、話す方はまったく出来ません。)
 日本の話もたくさんあって、しかし日本昔話並みにそんな昔話は知らないと言うものばかり。
ギリギリ天狗の太鼓の話は聞いた事があるが、元ネタが思いつかない。
琵琶湖のゲンゴロウの由来話とか、知らんよ…。
 ただ気づいたのが、日本語だとすぐにラストの落ちが目に入ってなーんだ、となるが、英語だと本気で眺めないとさっぱり何の事だかわからないので、オチがガッと勢いよく入って来る。
 このゲンゴロウの話は、どんどんおかしな方向になっていくので、自分の読解力がおかしいのかと訝しんでいたら、オチでハッとした。あー、魚になった話か、と。
 その他、まぁ時間切れで全部は読めなかったんですが、余りにも知らない単語は久しぶりに調べるとかしたんで、疑似勉強した気分になりました。
たまにはいいな。

 そして英語に引き続き数学も。
うん、以前にも思い出したように数学本読んだな。また忘れたので、或いはどれだけ覚えてるかチェック。
ねー、しかし、なんでだか結構序盤でもう解らん。前回に読んだ数学本はめちゃくちゃ面白かったんですが、何これ??同じこと書いてるの??中学生で本当に私、こんなの解いてたんだ???
 ビックリするほど解らなかったです。
単語の意味の説明が一番わからないと言う。
(テストなんて公式丸覚えで当て嵌めて計算するだけだったしねー。)
いざその単語の本来の意味を教えられると、その考え方的に理解出来ないの。
例えるならば『乾電池』をどう使うかはわかるが、仕組みは理解出来ん感じ。
 …こちらも時間切れで途中まで。
うわー、怖いわぁ。せめて義務教育分までは覚えておきたかった。
 (自分の数学能力の低さは置いておいて、本によって本当にハマるハマらないがあるな、と思えました。そっちが衝撃とも言えた。)
科学で解き明かす超常現象 ナショジオが挑む55の謎 日経BPムック ナショナルジオグラフィック別冊 1

 ナショジオはTVで言う所のNHKやBBCの自然ドキュメンタリーみたいな感覚で読んでます。
…こんなに字が大き目で濃度薄かったかな??
まぁテーマがテーマなんで、肩の力を抜いて挑む。

 正直深い所まで科学分析をしてどーのこーのと言う記事じゃありませんでした。
いや、実際はされていてその結果なんだろうけど、根拠に調査内容や結果、その解析を書いているわけでなく、『そう推測されている』『そうでした』と言うだけ。
だからオカルトを否定するのに科学オカルト使っている様に見える話も…。
 一番マシと思えたのが、ビッグフットの毛とされるものは他の動物のものでした、ってくらい。
酷いなと思ったのはネッシーの正体が象とか言うやつ。…ぇ??

 一記事見開きくらいなんで、そこまで詳細な話ではなかったようで、確かにサブタイトルに55の謎って書いてたね。下手な鉄砲系かと。
 ただ、既オカルトがどのように否定されていて、どこを突っ込まれているか、判明している事実はこうだと言うざっくりが解るので、勘のいい人には十分な解答だし、気になる人は調べる指針を持てる。
 まぁ未だに根強いオカルト論争だから、どっちかが100の根拠は出せないんだろうね。
不在証明自体が有り得ないから、否定派にハンデはあると思うけど。
 ちょっと真面目な○ー程度に楽しんで読めました。